北海道開発局は28日、札幌市内の北海道開発局研修センターで第3回石狩川流域委員会(委員長・黒木幹男環境防災研究機構北海道専務理事)を開いた。石狩川水系雨竜川河川整備計画の変更案を提示し、河道掘削に加えて既設の雨竜第1・第2ダムを活用する案で委員の承認を得た。完成までの費用は約390億円と試算。今後は委員の意見を反映後、知事意見を聴取し、整備計画を早期に変更する。成案後には計画に沿って、事業実施の検討を進める見込みだ。
雨竜川では2014年8月と16年8月の大雨によって甚大な被害が発生した。現行計画は雨竜川下流部では現在の目標流量を下回るものの、中・上流部は目標流量を上回り、洪水流量を安全に流せないことが課題として挙がっている。
承認された変更案では雨竜川上流の河道掘削約200万m³に加え、北海道電力が所管する既設の雨竜第1・第2ダムを有効に活用する方針を提示した。発電専用の両ダムは重力式コンクリートダムで、雨竜第1ダムは堤高45・5m、総貯水容量2億4470万m³、たん水面積23・7平方㌔、雨竜第2ダムは堤高35・7m、総貯水容量2160万m³、たん水面積1・8平方㌔となっている。
両ダムで発電量の減少が起きないことを基本的な考え方として、予備放流水位以上の容量を買い取り、さらに必要な容量は雨竜第2ダムをかさ上げして確保する見込みだ。北電と協議した上で各種調査や検討を実施し、必要な対策を講じる。
変更案では完成までの費用として、河道掘削に約200億円、両ダムの容量買い取りと第2ダムのかさ上げに約190億円、維持管理費用として50年間で約170億円と試算している。