東日本高速道路北海道支社は19日夜、北海道横断自動車道小樽JCT(ジャンクション)でBランプ橋架設の現場を公開した。多軸台車に鋼箱桁を乗せて移動し、夜明けまでに架設を終わらせた。道内では初めての工法となる。
余市方面から札幌方面へつながる小樽JCTのBランプ橋は全長231・5mで、箱桁と板桁からなる鋼5径間連続桁橋。川田工業(本社・東京)が施工を進めている。
札幌方面のA2橋台からP1橋脚まではことし6月に架設を完了。今回一夜で一括架設したのは、P1橋脚から余市方面のA1橋台間にかかる80・3mの鋼箱桁で、多軸台車を用いた一括架設は道内でも初の事例だ。同支社によると、短時間で架設できるという利点があり、通行止め時間が短いため利用者への影響も少ないという。
19日午後8時から朝里IC―銭函IC間を通行止めにし、作業が始まった。作業員は総勢100人。午後9時から総重量375・6㌧の鋼箱桁を乗せた多軸台車2台が動き始め、分速約1mで慎重に進んでいった。午後11時35分、札樽道の頭上5―8mを横断する形で、鋼箱桁がP1橋脚側と接続。作業はその後も順調に進み、午前4時ごろに無事終わった。予定時刻より1時間10分早く通行止めも解除となった。今後は26日にもう一度通行止めを実施し、A1橋台側でのジャッキダウンなどを行う予定だ。
川田工業の名木文裕所長は「道横断道余市―小樽間で鋼上部工6件を施工しているが、中でも小樽JCTのBランプは特殊工法で大きなヤマの一つだった。苦労しながらも受発注者一丸となって取り組み、無事に架設を終えることができた」と胸をなで下ろし、今後も事故・災害を起こさないよう取り組んでいくとの決意を語った。
道内初工法のため、北海道開発局や周辺自治体、学生ら合わせて150人が見学に訪れた。中日本高速道路に就職が決まっているという北大工学院修士2年の谷内湧さん(23)は「こんな大きい現場を見るのは初めて」と話し、自身が将来携わる光景を見据えていた。