札幌市がアンダーパスなどの長寿命化計画を策定-5カ年で7億円

2017年07月26日 07時16分

 札幌市建設局は、アンダーパス等長寿命化修繕計画を策定した。3月末時点での補修対象施設は11施設で、うち最も優先度が高い「緊急措置段階」は該当がなく、2番目の「早期措置段階」は7施設に上る。工事計画期間の2019年度から毎年1億4000万円程度を投じ、5カ年の総額には約7億円を試算。17年度は百合が原公園アンダーパスなど計4施設を対象に検討業務を進める。

 現在、市が管理するアンダーパスやボックスカルバート、覆道といった道路施設で建設後50年を超える施設はないものの、20年後には約3割、30年後には約5割に上る。

 このため、市の道路維持管理基本方針に基づく施策別補修計画の一つとして、これら施設を対象にメンテナンスサイクルの考え方を取り入れた、計画的・効率的な点検補修の維持管理方法をまとめた。

 この計画を推進することで、これまで通り事後保全で対応した場合の維持管理経費と比較し、今後50年間で約46億円のコストが縮減できると試算している。

 基本的考え方として、アンダーパスと覆道は予防保全、ボックスカルバートは事後保全の維持管理区分を設定。予防保全では損傷が軽微な「予防保全段階」で、事後保全では早期に補修を実施すべき状態の「早期措置段階」でそれぞれ補修を実施し、「健全」まで評価を引き上げる。

 計画の対象はアンダーパス8施設、ボックスカルバート6施設、覆道3施設の計17施設。13年度から実施してきた点検結果によると、「早期措置段階」が東8丁目、百合が原公園、菊水、もみじ台通、羊ケ丘の5アンダーパスと、木挽、白滝の2覆道の計7施設。

 続く「予防保全段階」が苗穂、篠路、上野幌の3アンダーパスと高原覆道の4施設となり、合わせて補修対象施設は11施設となった。事後保全型のカルバートでは、補修対象となる診断結果はなかった。

 主に採用する補修工法は、ひび割れ補修や断面修復、含浸材塗布工法、表面被覆工法のほか、道路利用者への影響を考慮した剥落防止シートも併用する。

 本年度は「早期措置段階」の中から、4施設を対象に点検を含む予備検討に着手。カルバート以外の施設は14年度の道路法改正以前の要領で点検しているため、実施設計前に再度点検する。業務は早ければ8月下旬にも一般競争入札で公告する考えだ。


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