道経済部のまとめによると、2020年度の企業立地件数は62件で前年度の94件から激減し、11年度と同水準になった。新型コロナウイルス感染症の影響で、計画先延ばしや見直しの動きがあったことが要因。道外企業の進出は4割減の18件だった。一方、コロナ禍の中でサプライチェーン再編や、デジタル・トランスフォーメーション(DX)、脱炭素化の動きが加速。道では今後、こうした動きを捉え再生可能エネルギーを活用したデータセンター、未来技術の研究開発・製造拠点の誘致などに力を入れる考えだ。
建設業界で銀行からの資金の借り入れが急増している。北洋銀行と北海道銀行の2021年3月期決算によると、建設業向けの貸出金残高は21年3月末時点で2行合計3894億円に達し、半年前より327億円、1年前より994億円増えた。長引くコロナ禍で今後の受注見通しが不透明感を増し、資材コストや人件費が上昇傾向にある中、手元資金を早めに確保しようとする経営者心理が表れているもようだ。
道内の民泊届け出住宅数が、この1年で減少の一途をたどっている。10日時点の届け出住宅数は、2000戸割れ目前の2039戸で、ピークの2020年4月時点から3割減った。そのほとんどが札幌市内の減少だ。ピーク後の20年5月以降も新たな届け出はあるが、月平均で100件近く事業廃止になっている状況。新型コロナウイルスの影響でインバウンドが激減しているほか、東京オリンピック・パラリンピックでの需要にも暗雲が漂っていて、さらなる廃業加速も危惧される。
大手ゼネコン4社の2021年3月期決算が出そろった。全社減収減益に終わり、鹿島が3期連続、大林組が2期連続の減益だった。連結売上高は鹿島が8期ぶりに首位に返り咲いた。営業利益は大成建設が2期連続で最多。最終的なもうけを示す純利益は2期ぶりに大林組がトップとなったが、各社とも1000億円を割り、新型コロナウイルス感染症拡大による建設市場の収益悪化を裏付けた。大成建設と清水建設は各利益が前期水準の70%台と低迷した。
北海道建設新聞社は2020年度のゼネコン道内受注高ランキングをまとめた。首位はニセコのコンドミニアムや札幌医大付属病院既存棟改修などの受注で541億6400万円に上った大成建設。調査の集計方法を暦年から年度に変更した07年度以降で見ると、官庁建築の受注が自己記録を更新した。民間建築は2番目に高い額だった。これに岩田地崎建設、伊藤組土建、宮坂建設工業と続き、上位4位までが300億円以上を確保した。上位50社の受注総額は前年度比5.1%減の6446億8480万5000円。設計・工事に約390億円を投じる札幌市の駒岡清掃工場更新を計上した官庁建築が過去最高額を記録。道内大手ゼネコンの受注を引き上げる要因となった。