この時期の恒例といえばマスコミなどがまとめることしの重大ニュースだろう。世界を動かした出来事もあれば、国内で話題になった事件や事故もある。その時は大いに驚いたのに案外忘れているものもあったりして。自分の記憶力のなさにまた驚かされる
▼こちらも風変わりだが、重大ニュースの一種と呼んでいいのではないか。住友生命保険の「創作四字熟語」である。ことしの優秀・入選作が先週、発表された。優秀作10編を眺めると、世相を的確にとらえていて感心する。やはりまずはこれだろう。新時代の訪れを象徴的に表現した「国祭令和(国際平和)」。元になった熟語が天皇陛下の願いであるところも秀逸だ。吉野彰さんのノーベル賞受賞にちなんだ「電池創造(天地創造)」もぴったりの言葉である
▼文字の並びを見ると桜の戦士の活躍を思い出す「一心桜体(一心同体)」もうまい。「考齢運転(高齢運転)」や「変幻税率(軽減税率)」、「深夜閉業(深夜営業)」は実に言い得て妙である。本道の世相で筆者も幾つか考えてみたのでご笑覧を。最初は「被害妄走(被害妄想)」。五輪マラソンの開催地変更に絡み、札幌を中傷するような妄言がワイドショーなどで相次いだ。いらぬ被害である
▼次は「知事宿題(支持拡大)」。鈴木直道知事が誕生した。勢いは良いが宿題の多さには頭を悩ませている様子。最後は「北方遠島(北方四島)」。ロシアとの政治的隔たりを感じさせられた年だった。島もいささか遠くに見える。来年こそは明るい話題ばかりを並べ呵呵大笑といきたいもの。