かねがね気になっていることがある。それはテレビのニュース番組が47都道府県の違いを伝えるときの地図の扱いだ
▼例えば特殊詐欺に加担した公務員の全国調査があって、北海道にも1人いたとしよう。すると本道全体が赤色に塗られて放送されるのである。実は札幌で1人だけだったとしてもだ。東京が100人、本道が1人でも赤の面積は本道の方が広い。本道全体で悪事で行われているように見えはしないか。こういった例が度々ある。条件は47都道府県どこでも同じとはいうものの、本道の面積は東北6県に新潟を加えたより広い。一つの色で塗りつぶすと逆に実態がつかめなくなると思うのだがどうだろう
▼ところでこの一色塗り、全国ニュースに限った話ではなかったようだ。道がおととい、新型コロナウイルス感染対策の警戒ステージを1から2に引き上げた。振興局ごとにステージに差をつけているわけではない。東北6県に新潟を加えたより広い本道全体をステージ2の一色で染めたのである。道民が気持ちを一つにして感染の抑え込みを、という鈴木直道知事の願いはよく分かる。ただ感染者が札幌に大きく偏っている中で、警戒度の引き上げを全道同じにする必要が果たしてあったのか
▼これから2週間の集中対策期間に数値が下がればステージを元に戻すというが、上がった場合は逆に全体を3や4にしなければならなくなる。感染を抑え込むにも経済を止めないためにも、広域分散型の本道の地域特性を考慮した独自のきめ細かな色分けがあっていい。簡単に一色で染めるのでなく。