コラム「透視図」

高齢者の生活

2016年08月27日 10時00分

 ▼何かと難しい問題のある高齢化社会だが、こんな川柳を聞くと身につまされながら思わずニヤリとする人がいるに違いない。いずれも『平成川柳傑作選』(毎日新聞出版)で読んだ作品である。「片思い昔あの娘で今は孫」(孫孫)。納得であろう。「じいちゃんが一番好きにだまされる」(ゆきはる)。かわいいから許せる。ただしこれはつらい。「電話するたび『な~んだぁ爺ちゃんか』」(上田寛)。

 ▼子や孫とのつきあいが大きな生きがいになるのは、どうやら世界共通らしい。内閣府が今月公表した2015年度「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」にもそれが表れていた。日本と米国、ドイツ、スウェーデンの4カ国を比較しているのだが、「生きがいを感じる時」との設問に対する答えは、いずれの国も「子どもや孫など家族との団らんの時」が最も多かったのである。息子・娘たちとの交流や孫の成長する姿に、元気や幸せをもらっている人が多いということだろう。

 ▼少しばかり気になる結果もある。「同居の家族以外に頼れる人」の設問に、米国とドイツの45%、スウェーデンの43%が「友人」と答えているのに、日本はその半分以下の19%だったのだ。はて、日本人は友人が少ないのか、それとも友人を頼ろうとはしていないのか。身内以外に迷惑は掛けられないとの国民性が出たのかも。そういえば家族に比べ、友人を題材にした川柳も少ないようだ。友人をネタにした川柳がどんどん出てくる方が、高齢化社会として生きやすいのかもしれぬ。


高齢者の生活

2016年08月27日 10時00分

 ▼何かと難しい問題のある高齢化社会だが、こんな川柳を聞くと身につまされながら思わずニヤリとする人がいるに違いない。いずれも『平成川柳傑作選』(毎日新聞出版)で読んだ作品である。「片思い昔あの娘で今は孫」(孫孫)。納得であろう。「じいちゃんが一番好きにだまされる」(ゆきはる)。かわいいから許せる。ただしこれはつらい。「電話するたび『な~んだぁ爺ちゃんか』」(上田寛)。

 ▼子や孫とのつきあいが大きな生きがいになるのは、どうやら世界共通らしい。内閣府が今月公表した2015年度「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」にもそれが表れていた。日本と米国、ドイツ、スウェーデンの4カ国を比較しているのだが、「生きがいを感じる時」との設問に対する答えは、いずれの国も「子どもや孫など家族との団らんの時」が最も多かったのである。息子・娘たちとの交流や孫の成長する姿に、元気や幸せをもらっている人が多いということだろう。

 ▼少しばかり気になる結果もある。「同居の家族以外に頼れる人」の設問に、米国とドイツの45%、スウェーデンの43%が「友人」と答えているのに、日本はその半分以下の19%だったのだ。はて、日本人は友人が少ないのか、それとも友人を頼ろうとはしていないのか。身内以外に迷惑は掛けられないとの国民性が出たのかも。そういえば家族に比べ、友人を題材にした川柳も少ないようだ。友人をネタにした川柳がどんどん出てくる方が、高齢化社会として生きやすいのかもしれぬ。


3人の旅は

2016年08月26日 09時33分

 ▼ことわざに「三人旅の一人乞食」がある。3人で何かをしようとすると、その中の1人がどうしてか貧乏くじを引いたり、仲間外れになったりすることを教えるものだ。こうした例えは日本に限らず世界中にあるようで、ケニアには「二人なら友達、三人はいさかい」、英国にも「二人なら仲間、三人ではご破算」といったことわざがあるそうだ。言語や文化は違えど人として共通するものがあるのだろう。

 ▼つい最近、そのことわざを思い出させるようなニュースに触れた。24日に開かれた日中韓外相会談である。あらわになったのは日韓の関係改善と中国の孤立だった。3人で旅をしていて、連れの1人にあまり協調性がないため、あとの2人が少し距離を置いて歩くことにしたわけだ。何も意地悪で仲間外れにしたわけではない。日中間は尖閣諸島周辺の領海への中国公船侵入で緊張状態にあり、中韓間は最新鋭のミサイル防衛システムをめぐるあつれきで隙間風が吹いているのである。

 ▼とはいえ、昨年は抗日戦勝70年の名目で中韓が足並みをそろえ、日本は一人蚊帳の外に置かれていた。またかつて日中の経済連携がうまくいっている時代は、両国とも韓国を眼中に入れていなかった。どうやらアジアの東に位置するこの3国は、「三人旅」のことわざのわなに落ちているらしい。ただ意見交換の機会は今後も大切にすべきだろう。これも「三人」もののことわざだが、いつか「文殊の知恵」が湧き出てこないとも限らない。まあ、だいぶ先のことにはなるのだろうが。


つまらない?

2016年08月25日 09時35分

 ▼昭和のムード歌謡を代表する曲の一つに「別れても好きな人」(佐々木勉作詞作曲)がある。1979(昭和54)年にロス・インディオス&シルヴィアが歌い大ヒットした。スナックでは必ずカラオケを入れるという人も少なくないだろう。「別れた人に会った/別れた渋谷で会った」で始まり、「別れても」「好きな人」の男女掛け合いで終わる。未練で湿った女性の心が男たちをいたく刺激するようだ。

 ▼一方、こちらは「好きだけどつまらない人」だそうだ。民進党代表選に出馬表明している蓮舫代表代行が、日本外国特派員協会の記者会見で岡田克也代表を評して言ったことである。正確には「大好きです。ただ、本当につまらない男だと思います」とのこと。湿り気などどこにもなく、むしろドライでばっさりといった感じだろう。岡田氏に代表を続けてほしかったとの未練はなさそうだ。かつて2位では駄目なのかと疑問を呈した蓮舫氏も、今回ばかりは1位を目指すようである。

 ▼もっとも蓮舫氏の発言の趣旨は別の部分にある。「人間はユニークさが大事。私にはそれがある」。ユニークとは唯一性のこと。岡田氏にはないらしい。蓮舫氏からこの言葉を聞くと、前例に既得権益とのレッテル貼りをした揚げ句、国政の混乱を招いた民主党政権時代を思い出す。肯定的に受け取れないのは、それがまだ記憶に新しいからに違いない。さて代表を退く岡田氏だが、「代表を降りても~」の歌い掛けに返される言葉は何だろうか。「つまらない人」でなければいいが。


台風禍

2016年08月24日 09時44分

 ▼プロ野球やサッカーなど応援しているチームのここ一番、勝負が懸かった試合は見ないようにしている、という人がいるようだ。「自分が見ているとなぜか負けるような気がするから」がその理由である。ただの気のせいなのだが、例えば自分がうっかり試合を見たせいで北海道日本ハムファイターズが負けたとなれば、責任を感じないわけにはいかないらしい。つまりは悪縁を断つための縁起担ぎである。

 ▼つい先日のこと。台風7号の本道上陸を機に小欄で、「ことしは台風の襲来も随分と少ないようだ」と書いたら、ここぞとばかりに1週間で3つの台風が連続して押し寄せてきた。いらぬことを書いて天の帳尻合わせを招いたかと心中穏やかでない。7号、11号、9号と1年に3つもの本道上陸は、1951年の統計開始以来例がないという。いずれも雨台風だったため網走・北見・紋別や釧路・根室地方などでは、軒並み観測史上最大の降雨量を記録。深川では石狩川まで氾濫した。

 ▼各地で建設業者が全力を発揮して災害対応に当たっている。堤防流失や道路法面崩壊、路肩決壊などが相次いでいるためだ。応急復旧に、被害拡大防止に、地域の安全点検にと、昼夜を分かたぬ奮闘ぶり。インフラの町医者として果たさねばならぬ役目とはいえ、危険と隣り合わせの仕事である。けがなどないよう十分注意されたい。「日本を打ちてし止まぬ台風禍」(村岸明子)。日本中が台風に悩まされている。ことしは少ないなどと言わぬから、ほどほどにしてご通過願いたい。


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