朝の天気予報を見ていたら、気象予報士が道内多くの地域でしばらく真冬日が続くと言っていた。それもそのはず、きょうは旧暦二十四節気の大寒である
▼道理で足元からはい上ってくる冷気が骨身にこたえるはずだ。思わず昭和歌謡『小樽のひとよ』(鶴岡雅義と東京ロマンチカ)を口ずさんでしまう人もいるのではないか。「小樽は寒かろ/東京も/こんなにしばれる/星空だから/語り明かした/吹雪の夜を」。寒さが殊更身に染みるのは、例年を超えうず高く積み上がった道路脇の雪山のせいもある。しばれに加えて大量の雪では、弱気も出ようというものだ。「大寒を死なず挫けず諦めず」高橋隆子。自分を励ましながら乗り切るしかない
▼ところでこの積雪深、道内全域が筆者の日頃見ている札幌と同じではない。気象庁の集計によると、札幌周辺と道東、太平洋沿岸地方では平年以上の地点が多いものの、後は総じて少ない。豪雪地域の岩見沢も19日現在で平年比55%の42cmにとどまっているそうだ。きょう、ドナルド・トランプ氏が米国第45代大統領に就任する。米CNNテレビの世論調査で支持率が歴史的な低さの40%と相当お寒い結果だったようだから、大寒の日の行事としてはうってつけだろう
▼寒けを感じるのは日本も米国と似たようなもの。氏は「米国第一主義」を押し立て、日本に安保や貿易で心が凍るような寒風を吹き付けている。それがまた誤解に基づいているからたちが悪い。つい歌ってみたくなる。「米国は寒かろ/日本も」。さて、こちらの大寒はどう乗り切ろう。