コラム「透視図」

第92回全国安全週間

2019年07月01日 09時00分

 人気お笑いコンビ「雨上がり決死隊」の宮迫博之さんを含む10人以上の芸人が反社会的勢力の宴会に出演し、ギャラを受け取っていたとして「吉本興業」(大阪)など所属先から謹慎処分を受けた。事務所を通さない、いわゆる「闇営業」だったという

 ▼よく知る芸人から紹介されたそうだが意識が低過ぎたようだ。「赤信号みんなで渡れば怖くない」。このツービートの有名な漫才ネタの標語そのままの行動である。自分と仲間の身を守るには、やはり正しい標語を胸に刻んでおくべきだったろう。現場での不安全行動の防止には本紙〈建設安全標語コンクール〉の作品を役立ててほしい。ことしの最優秀作は「見つけよう かくれた危険 日々変化」だった。入選を逃した作品の中にも良い作品はある。幾つか紹介したい

 ▼「互いの声掛け意識の高揚 我々みんなが監督だ」。一人一人の自覚が場を引き締める。「フルハーネス 家族とわたしの いのち綱」。法令改正にしっかり対応する姿勢が命綱そのもの。何より基本の積み重ねである。「作業中 ヒヤリと思えばすぐ改善 安全対策これでもか」。ごく小さな危険も断じて見過ごさない。「やらない 知らない 覚えない ないないづくしで 大災害」。全ては人ごとでなく自分ごと

 ▼「絆から 生まれる安全 家族の笑顔」。大事な人を悲しませないこと、笑顔を守ることが働く者の使命だろう。きょう、第92回全国安全週間が始まった。令和初の安全週間である。初心を思い出すには絶好の機会でないか。これからの工事繁忙期、どうかご安全に。


G20大阪

2019年06月28日 09時00分

 子どもの何げない一言にハッとさせられる。親なら誰しも経験することだろう。利害得失の偏見を持たない目には時に物事の本質が見えるらしい。詩集の中にそんな目を持つ6歳の男の子の一編があった

 ▼「ママ/アメリカは/カナダのとなりだからさ/『カナダくん あそぼ』っていってさ/ニッポンは/中国のとなりだから/『中国くん あそぼ』っていったらいいのにね」(『ことばのしっぽ』中央公論新社)。題名は「ちきゅうぎを見て」。その状況でこう問い掛けられた親は「本当にそうだよね」と深くうなずくしかない。さて、この6歳の男の子の詩と同じ「地球儀を俯瞰する」外交を標榜(ひょうぼう)するのが安倍首相である。その真価が試される大一番となろう。きょうから大阪市で主要20カ国・地域(G20)首脳会議が始まる

 ▼日本初開催とあって政府の意気込みも相当だ。トランプ、プーチン、習近平、メルケル、マクロン―。世界の名だたるリーダーが一堂に会するのだからそれも当然か。主な議題は世界経済の健全化やデータ管理の国際ルール作り、海洋プラスチックごみの削減など。どれも大事だがそれらはあくまでも予定調和の表舞台。実際に皆が一挙手一投足を見守る最重要の出し物は、火花散らす2国間によって舞台袖で繰り広げられる首脳会談である

 ▼今回であれば一番は激化する貿易摩擦で世界中に暗雲を広げる米中だろう。たまたまホスト役はその両国の隣人である日本の安倍首相だ。「アメリカくん、中国くん、そろそろ仲直りしよう」と橋渡しできるといいのだが。


内閣不信任決議案

2019年06月27日 09時00分

 子どもの読み物だからとばかにできない。大人にも誠実に生きる大切さを教えてくれるのがイソップ寓話(ぐうわ)である。「できない約束をする男」もその一つ

 ▼重い病気に悩む貧乏な男が苦しまぎれで神にこんな約束をした。「もし治してくれたら牛100頭を捧げます」。妻は驚いて叫ぶ。「そんなお金、どこにもありませんよ」。すると男が言う。「俺さえ治りゃいいんだ。神が取り立てに来るはずもない」。立憲民主党や国民民主党など野党5会派がおととい衆院に提出し、反対多数で事もなく否決された内閣不信任決議案を巡るやり取りを見ていてその話を思い出した。深刻な不支持に悩むこれら野党も、いわゆる「ダメもと」で安倍内閣退陣を高々と掲げてみたわけだ

 ▼提出したのは衆院選がないと踏んでのこと。茶番でないか。仮に成立して衆参同日選となれば野党の議席が減る可能性も小さくない。提出に当たっては身内からも、そんな犠牲を払う余裕はどこにもないと危惧する声が出たようだ。直近の朝日新聞の世論調査で安倍内閣支持率は45%。今回の決議案を提出した野党を支持する人は合わせても10%に満たない。NHKの調査でも内閣支持率は42%、野党支持が11%だった。決議案は「安倍内閣が議会制民主主義を根底から破壊している」と指弾したが、空回り

 ▼焦点の年金も消費税も全国民の懐が痛む重大事だ。国会では建設的な議論に終始してほしかった。「対決姿勢を強調できればいい。国民が取り立てに来るはずもない」と高をくくっているなら参院選もただでは済むまい。

 子どもの読み物だからとばかにできない。大人にも誠実に生きる大切さを教えてくれるのがイソップ寓話(ぐうわ)である。「できない約束をする男」もその一つ

 ▼重い病気に悩む貧乏な男が苦しまぎれで神にこんな約束をした。「もし治してくれたら牛100頭を捧げます」。妻は驚いて叫ぶ。「そんなお金、どこにもありませんよ」。すると男が言う。「俺さえ治りゃいいんだ。神が取り立てに来るはずもない」。立憲民主党や国民民主党など野党5会派がおととい衆院に提出し、反対多数で事もなく否決された内閣不信任決議案を巡るやり取りを見ていてその話を思い出した。深刻な不支持に悩むこれら野党も、いわゆる「ダメもと」で安倍内閣退陣を高々と掲げてみたわけだ

 ▼提出したのは衆院選がないと踏んでのこと。茶番でないか。仮に成立して衆参同日選となれば野党の議席が減る可能性も小さくない。提出に当たっては身内からも、そんな犠牲を払う余裕はどこにもないと危惧する声が出たようだ。直近の朝日新聞の世論調査で安倍内閣支持率は45%。今回の決議案を提出した野党を支持する人は合わせても10%に満たない。NHKの調査でも内閣支持率は42%、野党支持が11%だった。決議案は「安倍内閣が議会制民主主義を根底から破壊している」と指弾したが、空回り

 ▼焦点の年金も消費税も全国民の懐が痛む重大事だ。国会では建設的な議論に終始してほしかった。「対決姿勢を強調できればいい。国民が取り立てに来るはずもない」と高をくくっているなら参院選もただでは済むまい。


聖火リレー

2019年06月26日 09時00分

 米IT企業大手アップル社の創業者スティーブ・ジョブズ氏は多くの名言を残している。米スタンフォード大2005年卒業式での学生へのこの助言もその一つ

 ▼「将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎ合わせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない」(日本経済新聞)。東京2020オリンピックの聖火ランナー募集が始まった。こちらは最初から国立競技場の聖火台を目指し全国の点と点をつなぎ合わせていくわけだが、つなぎ合わせるのはそれだけでない。ランナー一人一人の人生もである

 ▼募集業務を担うパートナー各社のランナー像はこうだ。コカ・コーラ「自分なりの生きがいを持った人」。トヨタ「身近な周りの人のためにさまざまなチャレンジをしている人」。日本生命「大切な人に伝えたい想いがある人」。NTT「地域の人・技・時をつなぐ人」。希望者は意志を簡潔にまとめ、Webサイトなどから応募。審査に通れば晴れてランナーである。独自の物語を持つ彼らも一人では一つの点にすぎない。ただ、聖火を受け渡しながらつなぎ合わせた点と点を後から眺めるとき、そこには壮大な人生絵巻が広がっていよう

 ▼来年3月26日に福島県を出発した聖火リレーはまず南下し、折り返して本道に来るのが6月14日頃。来月1日には各都道府県実行委員会でもランナー募集が開始される。多くの人生をつなぐ点の一つになってみるのも悪くない。


神奈川の逃走男逮捕

2019年06月25日 09時00分

 問題を先送りしたいときに人がよく使う手は逃げることだろう。「三十六計逃げるに如かず」である。牧野信一の私小説「凩日記」にも走って逃げようとする友人を追う場面があった

 ▼ようやく捕まえ、「僕」が問い詰める。「君は何処までも雲や霞の中へと逃げ終せる覚悟だったか?」。友人は答えた。「問わるゝまでもない。―然し公園に達してからの君の追跡は宙を飛んで風に乗り、あはやの間に捕縛された」。実はこの友人、預かった青銅像を質屋に入れてしまい、会わせる顔がなかったのだ。こちらの男も何か不都合があったに違いない。刑務所収容のため訪れた横浜地検の事務官らを包丁で脅して逃げ、5日間姿をくらませた揚げ句、23日に逮捕された小林誠容疑者のことである

 ▼髪型を変え、捜査をかく乱し、複数の知人の助けを借りてどこまでも逃げるつもりだったらしい。自宅に覚醒剤用の注射器もあったといい、それが逃げた理由との見方もある。雲やかすみの中に消えずひとまずは良かった。小林容疑者は保釈後に実刑判決が確定し、収容されるところだったという。驚くのは包丁を持っていたとはいえ地検の事務官が5人、警察官も2人いてみすみす逃走を許してしまったことである。しかも逃げてから地検が公表するまで3時間、県警が緊急配備を敷くまで4時間半以上の時間が掛かっている

 ▼たるんでいるというか、危機意識に欠けるというか。「逃がした魚は大きい」というが地検にとっては「逃がした代償は大きい」というべきだろう。もちろん逃げた容疑者の代償も大きいが。


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