コラム「透視図」

スタンプで痴漢防止

2019年08月28日 09時00分

 遊園地や有料イベントなどに行った際、急に用事ができて途中でいったん会場の外に出なければならないときがまれにある。さて用事は済ませた。再入場しようとポケットを探ると入れておいたはずの半券が見当たらない。参った―。そんな経験のある人、結構多いのでないか

 ▼最近は便利な仕組みを採用しているところがあって、会場を出るとき手にスタンプを押される。不思議なことにその時点では跡が見えない。ところが再入場時にブラックライトを当てると印影が浮かび上がり、入場資格を証明できるのである。「隠しインキ」と呼ぶそう。有色のスタンプを使っている会場もあるが、これなら半券を失くす心配もないし目にもうるさくない

 ▼朱肉のいらないはんこで知られるシヤチハタ(名古屋市)がこの特殊な「UV発色インキ」を活用し、「迷惑行為防止スタンプ」を開発。痴漢対策に乗り出すという。電車などで被害を受けたり目撃したりしたとき、さっと取り出し不届き者の手にポンと押印する。そのままだと見えないが、後でブラックライトを当てると〝手のひらマーク〟が浮かび上がる寸法だ。この証拠が目に入らぬか、というわけである。同社の「キャップレス9」と同形で、女性の小さな手にもすっぽりと収まるサイズ。ブラックライトも内蔵している

 ▼頼れる用心棒になりそうだが一つだけ気になるのは冤罪(えんざい)のこと。混んだ電車で間違って押印されてしまったらと想像すると恐ろしい。卑劣な痴漢にだけ反応する特殊インキがあればいいのだが、さすがにそれは無理か。


韓国がGSOMIA破棄

2019年08月27日 09時00分

 世間には話の通じない人というのがいるものだが、中には相手を困らせるためわざと意地悪なことを言うたちの悪い人もいる。落語の『居酒屋』もそんな噺

 ▼酔っぱらって入ってきた客に小僧が尋ねる。「さかなは何にしましょう」。客は「いるって言ったかね」。小僧が「じゃあいらないってことですね」と戻ろうとすると、「いらないとは言ってない。少しは俺に考えさせろよ」。はなから絡むつもりなのである。揚げ句に「品書きの最初にある口上を一人前持ってこい」だの、「棚の上のさかなが見にくいから棚をこっちに寄せろ」だの無理難題を言い出す始末。どうにもこうにも手が付けられない。最近の韓国もこの酔客と似たようなところがある

 ▼韓国が23日、日韓両国で軍事機密漏えいを防ぐため結んだ軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を日本に通告したのもいい例だろう。韓国の言い分は「日本が輸出規制を強化した」「日本が後でGSOMIAを破棄すると韓国の面目がつぶれる」から。お笑い芸人サンドウィッチマンの一節を借りると、「ちょっと何言ってるか分からない」。輸出に関しては韓国がずさんな管理を適正化すれば済むことだし、GSOMIAに至っては日本に破棄する理由がない

 ▼酒でなく反日気分に酔って絡んでいるとしか思えないのである。居酒屋の小僧と同様、日本も難儀させられている。落語では最後に酔客の兄貴分が出てきて連れ帰る。韓国の兄貴分といえば同盟を組む米国ということになろう。ただ、ここまで酔っていては呼び掛けも耳に届くかどうか。


森ビルが日本一の超高層

2019年08月26日 09時00分

 見上げればいつでも眺めることのできる近県の人ばかりでなく、日本人なら老若男女問わず誰でも口ずさめる歌だろう。文部省唱歌の「富士の山」のことである

 ▼タイトルを聞いて頭の中で自然と歌が再生された人もいよう。一番はこんな歌詞だった。「あたまを雲の上に出し 四方の山を見おろして かみなりさまを下に聞く 富士は日本一の山」。高さといい均整のとれた立ち姿といい、まさに日本一の山である。森ビル(東京)が東京都港区の虎ノ門・麻布台地区市街地再開発で、高さ日本一となる地上約330㍍の複合ビルを新築するそうだ。四方のビルを見下ろす都心の新たなランドマークの誕生である。超高層建築で高さ日本一と聞くと興奮を覚える人も多いのでないか

 ▼区域面積8・1㌶に及ぶ再開発のメインタワーで規模は64階、延べ46万平方㍍。52階までがオフィスや商業施設、インターナショナルスクール、54階からが約90戸の住宅になる。最上階の高さは東京タワーの先端とほぼ一緒という。世界一の超高層は米映画『ミッション・インポッシブル6』の舞台になったドバイのブルジュ・ハリファで828㍍。かなり開きはあるが地域性を無視して高さだけ比べても仕方あるまい

 ▼再開発では他に高層2棟と低層1棟を配し、生み出した空間を最大限緑化。非常時のエネルギー自給能力や帰宅困難者の受け入れスペースも用意するなど、災害の多い日本で安心して働き、暮らす工夫が盛り込まれている。均整のとれた全体像もなかなかのもの。富士山のように世界に誇れる街になるといい。


昭和天皇拝謁記

2019年08月23日 09時00分

 江戸中期に清貧の暮らしを続けながら人々に学問を教えた人物に陽明学者の中根東里がいる。儒教の一派だが頭でっかちに堕することなく実践に重きを置くのが陽明学。東里はその姿勢を生涯貫き通し、高い学識があるにもかかわらず、学問で職や金品を得ようとはしなかったという

 ▼そんな東里が教えを誰にでも分かりやすく伝えるため考えた「壁書」に一句がある。「出づる月を待つべし。散る花を追ふなかれ」。これからに期待すべきで、過ぎ去ってしまったことにはとらわれるなというのである。NHKがこのところスクープとして連日放送していた昭和天皇「拝謁記」を見ていて、その一句を思い出した。NHKも過去にとらわれるあまり、いささかバランスを欠いているのでないか

 ▼「拝謁記」は初代宮内庁長官の田島道治氏が1949(昭和24)年から53年まで、在任中の昭和天皇との対話を書き残したものである。確かに興味深い記録だろう。とはいえ放送にこれほど時間を割く話題とも思えない。例えば戦略の誤りを考察したり、戦争への後悔を表明したり。また旧軍には嫌悪感を示しつつ再軍備や憲法改正には前向きの意見を述べたりしている。先の大戦を率直に語った昭和天皇の言葉は生々しい

 ▼ただ、これらは象徴天皇制の下での言葉である。学術的には意味もあろうが戦後政治とは全く関係がない。「NHKから国民を守る党」の国会進出など近頃少々分が悪いNHKだ。過去にとらわれるというより、使える手は何でも使って存在感を見せつけようという苦肉の策なのかもしれない。


札幌のヒグマ騒動

2019年08月22日 09時00分

 胆振東部地震からもうじき1年になる。地震もさることながら、今まで経験したことのなかったブラックアウト(本道全域停電)にはずいぶん悩まされた

 ▼その時期、こんな意見がSNSに投稿され、物議を醸したのを覚えている人も多いのでないか。「電気がなければまきストーブで暖を取ればいい」。北海道には木がたくさんある。緊急時にはそれを使えばいい、というわけだ。道外を中心に賛同者が一定数いた。これがどれほど非現実的なアイデアかは道民なら考えるまでもない。原生林の中で細々と暮らしているわけではないのである。きっと自然豊かなイメージから短絡的に発想したのだろう。実態を知らぬゆえの無責任な提言というべきか

 ▼こちらも同じと思わざるを得ない。札幌市南区藤野周辺の住宅街をわが物顔で歩き回るようになったヒグマを射殺駆除した件で、市に多数の抗議が寄せられているというのである。麻酔銃で撃って森に帰せばよかった、かわいそう、といった意見が目立つそうだ。「どうしん電子版」によると20日までに530件の意見があり、5割強が反対と抗議。その大半が道外からだったという。まさか「くまのプーさん」(ミルン)が遊びに来ていると愉快な想像をしているわけでもあるまいが

 ▼ヒグマは雑食性の猛獣である。執着心が非常に強く人を襲う可能性も高い。人里に出て来させない工夫が必要なのは当然だろう。ただ、山から下りてきて人家にある物の味を覚えてしまった個体に対しては、心を鬼にするしかない。それが野生と向き合う本道の現実である。


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