「相反する要素がいろいろな所にあって、それを取りまとめる必要があった」。暫定2車線の高速道路に設置するワイヤロープ式防護柵の研究開発を主導した寒地土木研究所寒地交通チームの平沢匡介主任研究員は、開発の経緯をこう振り返る。新規開発した第1号の防護柵は、大型車の突破を許した。支柱の強度を上げれば大型車は突破しにくい一方で、乗用車が衝突した際に運転手にかかる衝撃は増し、事故車両が急激に減速するため追突事故の危険も大きくなる。改良型の防護柵が実用化するまで、約4年を費やした。
必要な道路空間が少なく、設置と撤去が容易で低コスト―。暫定2車線の高速道路で走行車両の正面衝突を防ぐため、寒地土木研究所の寒地交通チームが開発したワイヤロープ式防護柵の試行設置が2017年春から全国で始まり、一定の成果を上げている。17年10月現在の中間報告によると、全国113・3㌔区間で、16年度は45件に上った飛び出し事故が1件に抑えられ、死傷者はゼロを記録。国土交通省高速道路課は「安全対策としての標準設置を検討していく」との考えを示し、今後の設置加速が見込まれている。
ソフトウエア開発のテクノフェイス(本社・札幌)が独自発した電子看板・プロジェクター技術が、新しい仮設資材の提案につながりそうだ。同社の画像補正技術で、低位置や曲面へのプロジェクター投影が可能になる。市販の安価なディスプレーを自在に電子看板化できるソフトウエアと組み合わせると、より効果的に工事現場を周知できる。
旭川市は今冬、スマートフォンなど携帯端末のGPS機能を活用した除雪作業を試行する。リアルタイムで除雪の進ちょく状況や経路などが把握できるもので、作業の効率化と精度向上を目指す。本年度は中央・新旭川地区で20台分試験導入して検証を進め、将来的には全地区での導入を図っていく考えだ。