本道で観測史上最大となる震度7を記録した北海道胆振東部地震の発生から、きょう6日で1カ月となった。揺れが強かった地域ではインフラやライフライン、住家などが甚大な被害を受け、大規模停電で道内全域が被災した。この1カ月で被災状況が次々と明らかになり、被害総額は判明分だけで2089億円(5日現在)を超え、今後も増加する見通しにある。断続的な余震で気が抜けない日々が続くが、被害が大きかった地域では2次災害防止や住民生活確保のため応急復旧が進む。道は経験したことのない震災からの復旧・復興に向け、878億円に上る第1弾の対策方針を打ち出すとともに補正予算を可決。10日からは災害査定が始まり、本格的な復旧工事は年内にも動きだす。本道は間もなく長く厳しい冬を迎えるが、被災地が一刻も早い日常を取り戻すためには、まずはインフラ復旧が欠かせない。公共土木施設の応急復旧状況と今後の動きをまとめた。
9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震は全道規模の停電を引き起こし、震源から離れていて比較的震度が小さかった地域も含めて道内各地に大きな影響をもたらした。道路や建物などにほとんど被害がなかった釧路市内でも「あと2時間で断水になる」といった噂が早朝からSNSなどで飛び交ったが、市内の浄水場はいずれも自家発電設備で運転を継続。水不足による大きな混乱は防ぐことができた。
北海道開発局は、厚真町内の厚真川水系日高幌内川で発生した大規模な山地崩壊による河道閉塞(へいそく)に対処するため、緊急の砂防工事に着手する。河道1・1㌔にわたり大量の土砂がふさいでいることから、仮水路を整備して上流のたん水を防ぐ考え。倒木処理や地質調査などを進め、水路の整備方法を固める。
道と経済産業省は、北海道胆振東部地震からの経済復興に向けて「北海道を元気にする中小企業・地域産品・観光等支援施策集」をまとめた。病院や避難所、ガソリンスタンドなどへの自家発電機の導入や中小企業への融資、旅行割引制度の導入などを実施し、風評被害の払拭(ふっしょく)や産業基盤の回復、経営再建などを進める。