八雲町のバイオマス産業都市構想が農林水産省に選定された。国の多様な補助などを活用できる。家畜ふん尿からガスや肥料、家畜用の敷料を生産するバイオガスプラント(BGP)を4基整備し、循環型農業の確立を目指す計画。町などが出資する企業が来春の着工を目指している研修牧場では、集中型BGPを2020年9月ごろに着工する予定だ。
大阪大と興部町は、バイオガスからメタノールを製造する技術開発と実用化検討を共同で始める。乳用牛などの家畜ふん尿から得られるバイオガスを原料に、メタノールとギ酸を製造。コア技術が確立すれば、町営プラントから年間80㌧のメタノールと400㌧のギ酸が得られると試算している。全国の乳牛や肉用牛135万頭から試算すると約1700億円分(350万㌧)のメタノールに相当し、電力供給が不安定な地域への燃料供給に貢献する技術などとして期待できるという。
湧別町が、町内関係団体と共に、家畜のふん尿などを活用したバイオガスプラント建設に向け、検討を進めていることが明らかになった。2018年度に町内酪農家を対象に実施した調査では、20戸が事業に参加する意向を表明。参加予定の酪農家が飼育する乳牛頭数から想定されるプラント数は、個別型5基、集中型3基の計8基で、建設費は約44億円と試算している。