大手ゼネコン4社の2023年3月期決算が出そろった。コロナ禍の影響が和らいで設備投資ニーズが堅調に推移し、売上高は全社が前期を上回った。収益では、札幌の複合ビル工事施工不良で240億円の損失を出した大成建設を除いて3社が増益。大林組は工事損失による前期の大幅減益から一定の回復を見せた。一方、24年3月期については資機材などのコスト上昇傾向から減益見通しが目立つ。
大手ゼネコン4社の2023年3月期第2四半期決算が出そろった。増収増益が3社、増収減益が1社だった。上振れの鹿島が売上高を1兆1000億円台に乗せ、本業のもうけを示す営業利益や経常利益、純利益全てで首位を走り、3社との差を広げる。大林組と清水建設は前年同期の工事損失引当金計上したことによる反動増で増益確保したが、収益改善が進み反転の兆しを見せる大林組に対し、清水建設は回復途上で横ばいにとどまる。利益率低下が止まらない大成建設は唯一減益に沈んだ。通期連結業績予想に対する売上高の進捗率は鹿島の46.8%を最高に、大林組45.2%、清水建設42.1%、大成建設40.6%の順となった。
大手ゼネコン4社の2022年3月期第3四半期決算が出そろった。清水建設を除く3社が増収を確保したものの、建設コストの上昇が止まらず採算性が低下し、全社が営業減益となった。本業のもうけを示す営業利益は鹿島が前年同期比11.7%減にとどめたが、清水建設は65.1%、大林組は46.9%それぞれ下落し、苦戦が続く。鹿島は投資有価証券売却益の増加で特別損益が改善し、最終的なもうけを表す純利益が上回った。連結売上高や営業利益、経常利益、純利益全てで鹿島が首位を走る。通期連結業績予想に対する売上高の進捗率は鹿島の71.3%を最高に、大林組70.2%、清水建設64.7%、大成建設61.3%の順だった。
大手ゼネコン4社の2022年3月期第2四半期決算が出そろった。3社が増収を確保したものの、想定以上の利益率低下に見舞われ、4社共に減益となった。本業のもうけを示す営業利益は鹿島が前年同期比21.6%減にとどめたが、清水建設は77.2%下落し、工事損失引当金を計上した大林組は64.8%の落ち込みとなり、差が大きく開いた。連結売上高や営業利益、経常利益、純利益全てで鹿島が首位を走る。通期連結業績予想に対する売上高の進捗率は鹿島の46.6%を最高に大林組45.9%、清水建設41.7%、大成建設38.3%の順だった。
大手ゼネコン4社の2022年3月期第1四半期決算が出そろった。全社増収減益と歩調を合わせたが、本業のもうけを示す営業利益は大成建設と清水建設が8割超の下落で、純利益は3分の1程度となった。連結売上高や営業利益、経常利益、純利益全てで鹿島が首位を走る。通期連結業績予想に対する売上高の進捗率は大林組の22.8%を最高に、鹿島22.6%、清水建設20.4%、大成建設17.3%の順だった。