北海道日本ハムファイターズのチアリーディングチーム「ファイターズガール」でキャプテンの大役を担う辻菜穂子さん。ダンスで球場の選手やファンを盛り上げるが、普段は札幌市内のゼネコンで働く建築技術者だ。一見かけ離れた2つの世界だが、日々実感するのはコミュニケーションの重要性だという。球団と現場を支える彼女の思いに迫った。（阿部みほ記者）

子ども時代から秘める建築への憧れ

恵庭市出身の28歳で、ファイターズガールは5年目。幼少時からクラシックバレエを習い、高校ではチアダンス部に所属した。「立ち姿まできれいにしようという意識でやっている」といい、姿勢の美しさと力強い動きを兼ね備えるダンスが強みだ。

子どもの頃からファイターズを応援してきたが、「自分は何が好きか考えると、やっぱり建物」。小学校高学年の頃から飽きることなく建物を眺めてきた彼女が職業として目指したのは建築業界。北海学園大学工学部建築学科へ進学し、材料系ゼミでコンクリートの研究に没頭した。

就職先を探す中で指導教授に提案されたのが、建築物を設計図通りに建設できるよう監督する施工管理職だ。「就活で初めてその仕事をちゃんと調べたので、あまり分かっていなかった」と苦笑する。それでも「目の前で建っていくのが面白そう」とゼネコンへの就職を志望した。