耕電設が建設ディレクター導入 入社2年目の鹿納さん

CADで図面修正など現場補佐  耕電設(本社・室蘭)は、壮瞥町内のとうや湖鶴雅リゾート洸の謌増改築電気設備の現場に建設ディレクターを導入した。入社2年目となる総務部工務課の鹿納ひなのさんがCADを使った図面修正や、安全書類の作成などで現場を補佐している。千葉昌子社長は「将来的には工務課が本社で各現場の業務をサポートできる体制をつくりたい」と話している。  建設ディレクターは、一般社団法人建設ディレクター協会が認定する制度。ITスキルを用いて現場の書類作成などを支援する新たな職域と位置付けている。  同社では増える現場の負荷をバックオフィスの事務員が削減できる体制をつくろうと、2021年に総務部に工務課を設置。同年に室蘭工大を卒業し入社した鹿納さんを迎え、建設ディレクターとして育成することを決めた。  鹿納さんは昨年、本社で電気工事の仕事内容を学びながらCADの技術を習得。ことしは壮瞥町内の同現場事務所で勤務している。5月から2カ月間の講習を経て、7月26日付で建設ディレクターに認定された。  現場ではRC造、3階の本館改修、RC造、4階の新館新築など延べ8905m²の増改築が進む。耕電設は岩田地崎建設の下請けとして電気工事を担い、社員5人と関連業者3人が常駐する。  現場代理人を務める耕電設の中居靖宜電設部長は「ニーズに応えて細かい図面を修正する作業が多く、補佐は本当に助かる。徐々に作業を覚えているので、今後は照明器具などの受発注も任せたい」と話す。  千葉社長は「建設ディレクターはわれわれのような設備業者にこそメリットがある。有資格者の作業以外は補佐してもらおうと考えている。将来的には電気工事士の資格も取得して、現場に出なくても作業員と円滑に意思疎通を図れるようになってほしい」と期待する。  鹿納さんは大学で物理学を専攻。入社まで建設業と縁がなかったが「電気工事が人々の生活と密接に関わることを知った。現場事務所は少人数で多くの仕事をこなす場所。安心して補佐を任せてもらえるよう、資格取得を含め頑張りたい」と意欲を見せている。(室蘭)