第62回技能五輪全国大会 左官の金賞に髙橋さん(中屋敷左官工業)、49年ぶり
愛知県常滑市で11月22ー25日に開かれた第62回技能五輪全国大会で、北海道から出場した中屋敷左官工業(札幌)の髙橋泰喜さん(20)が左官職種で金賞を受賞した。道内選手による左官の金賞は1975年の第13回大会以来49年ぶり。このほか道内からは銀賞が家具2人、銅賞が家具2人、とび1人、敢闘賞が家具2人の計8人が入賞した。(画像は左官金賞の髙橋さん)
厚生労働省、中央職業能力開発協会が主催。愛知県国際展示場を主な会場に全国の技能者が腕前を競った。
金賞に輝いた髙橋さんは「競技中もなるべく練習と同じような雰囲気をつくることができた。練習ではミスしても気持ちを切り替え、次のことを考えるようにしていた」と大会を振り返る。
その上で「左官は技術を習得するのに時間はかかるがとても達成感がある。受賞を今後の仕事に生かせたらいいし、若い人が左官業界に入ってくるきっかけにもなればいい。中屋敷剛社長からは常に側で指導してもらい『最後まで諦めるな』と励ましてもらった」と喜び、感謝した。
中屋敷左官工業にとっては8年ぶり2度目の出場で獲得した金メダル。中屋敷社長は「本当にうれしい。3年目の髙橋くんが本当によく頑張った。来年は彼がコーチとなって指導し、この流れを次世代につないでほしい」と話した。
家具職種で銀賞の中川さんは「自分では納得のいかない部分もあり、どこか悔しさもある。そんな気持ちを日々の作業に生かしたい」と悔しさをにじませ、髙橋渓純さんは「思いが残る部分もあり、もっとベストを尽くせたのではと考える。これからも大会に挑み続けたい」と前を向く。
銅賞の小野さんは「3度目の出場で銅賞以上が目標だった。全力を出し切ることができ、自分にとって悔いの残らない最後になった」と晴れやか。荒瀬さんは「会場下見などの事前準備が賞につながったと思う。最後の大会だったが落ち着いて臨めた」と冷静沈着だった。
篠原さんは「昨年のリベンジで臨んだ。常に全力での作業だったが落ち着いてできた。まずは銅メダルを獲得できてうれしい」と喜んだ。
41職種976人の青年技能士が参加した全国大会。北海道からは家具7人、建築大工6人、建具3人、左官、とび、造園、日本料理各1人の7職種20人が出場した。次回大会は2025年10月に愛知県で開催を予定している。
入賞した道内選手は次の通り。(敬称略)
左官職種
金賞
髙橋 泰喜(20歳)中屋敷左官工業・札幌市
家具職種
銀賞
中川 仁(22歳)コーナス・旭川市
髙橋 渓純(20歳)匠工芸・東神楽町
銅賞
小野 竜平(23歳)ウッドパーツ・旭川市
荒瀬 響(23歳)WOW・旭川市
とび職種
銅賞
篠原 照空(23歳)瀧建設興業・千歳市
※カッコ内は年齢、所属組織と所在地
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