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道北の豪雨、雨竜川氾濫、道路冠水など各地で被害/地元建設業が復旧作業

道北地方を中心とした7月23日から24日にかけての記録的な豪雨による被害が広がっている。深川市と秩父別町の雨竜川左岸で氾濫が発生。旭川市内は道路冠水や洗掘により道路維持業者などが対応した。低地が浸水した鷹栖町では排水作業に追われた。留萌管内では道路への土砂流入、倒木などの被害が発生し、地元建設業者が応急復旧に当たっている。

(画像は旭川市江丹別町共和、流れ込んだ水が道路を洗掘した、7月24日正午ごろ)


江丹別、比布で降雨量が観測史上最大に

7月24日午後3時時点の24時間雨量は、上川管内の旭川市江丹別が206.5ミリ、比布町が172ミリと、それぞれ観測史上最大を記録。このほか留萌市は145.5ミリ、深川市は118ミリなど上川、留萌、空知北部を中心に降った大量の雨により河川が増水し、土砂災害の恐れが高まった。

雨竜川が午前11時ごろに深川市多度志と秩父別町滝の上の両左岸で氾濫した。札幌開発建設部滝川河川事務所によると、家屋への浸水や人身被害は確認できなかったが、雨竜第一ダムの放流も考えられるため、警戒を呼び掛けている。

氾濫の影響で深川市は多度志地区、沼田町は共成地区にそれぞれレベル4の避難指示を発出した。無堤防箇所での氾濫のため、復旧の見通しは不透明だ。

中本土建(深川)と光栄建設工業(深川)は、北海道庁の要請を受けて道路の冠水被害や河川水量のパトロールを強化。家屋への被害はないものの低い土地の水田や畑は浸水が見られることから、警戒を強めている。

水位が上昇した深川市多度志付近の雨竜川(7月24日、午後12時30分ごろ)

地元建設業が各地で道路復旧や浸水対策

旭川市内北部では集中的に雨が降り、石狩川支流の江丹別川で水位が上昇。道道共和嵐山線で廃棄物処分場のある芳野付近が道路冠水により一時通行止めになった。共和地区では斜面の取り付け道路から土砂が流出したため、西野建設(鷹栖)が応急復旧に当たった。

石田兼松八興建設(旭川)は、国道40号の塩狩峠付近で農地の水があふれたため、午前に土のうを積んで対応。午後に雨は落ち着いたが、いつでも出動できるよう待機しているという。

応援対策本部を設置した北海道開発局は、鷹栖町からの要請で排水ポンプ車2台を派遣。北野西5条1丁目付近の住宅街での冠水に対応するため、午前8時から地元建設業者らが近くを流れるオサラッペ川へ内水排除をした。士別市内でも農地などで冠水が確認されている。

鷹栖町では旭川開建がポンプ車を派遣し地元業者が排水にあたった(24日午前10時ごろ)

留萌市と小平町を結ぶ道道留萌小平線は、萌平トンネルの小平町側入り口付近で雨水の影響により法面から道路に泥水が流入。このため6.4キロ区間を通行止めとし、堀建巧業(留萌)が対応に当たっている。道道上羽幌羽幌停車場線では街路樹数本が倒れたため、水上建設工業所(羽幌)が対応している。

北海道立総合研究機構エネルギー・環境・地質研究所の石丸聡地域地質部長は「全国的に見て道北地方は降水量が少ない地域。土砂災害の経験が乏しいため、大雨が災害につながる危険性がある」と指摘する。

雨竜川氾濫箇所周辺(深川市、秩父別町)地図:


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