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焦点2024 写真で読み解くこの1年

コロナ禍の影響を払拭して建設業に活気が戻った2024年。経済の正常化に伴い、人材不足や資材価格の高騰など企業活動の足かせとなる話題が顕在化した。北海道の主な出来事を写真で振り返る。


建設業に時間外労働の上限規制適用

働き方改革法により、4月1日から建設業に時間外労働の罰則付き上限規制が適用された。

労働時間は原則月45時間かつ年360時間(月平均30時間)までとなり、違反した場合は使用者に6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる。

北海道内の建設各社も対応に追われた。AIやIoTを活用した建設DX(画像)による作業効率化が進められている。一方で、大手と中小企業のデジタル格差は大きく、働き方改革の波が行き渡った状況とは言えない。2024年問題の混乱はしばらく続きそうだ。


赤れんが庁舎のシンボル・八角塔復活

8月1日、北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)の大規模改修に伴い、切り離されていた八角塔屋根が2年ぶりに戻った。(画像)

重量約20トンの八角塔屋根は350トン級クレーンで吊り上げられ、手作業で微調整を重ねて慎重に旧庁舎に降ろされた。国の重要文化財である庁舎の改修は竹中工務店、久米設計、岩田地崎建設で構成するコンソーシアムが受注。2025年2月に改修を終え、7月25日にリニューアルオープンする。

北海道開拓の歴史に加え、観光や自然、文化といった魅力を伝える拠点としての役割に期待が寄せられる。


政治とカネ焦点、衆院選で与党に逆風

10月28日未明の小樽市。テレビで立憲民主党前職の当選確実が報じられると、自民党前職の事務所は沈痛な空気に包まれた。(画像)

「自民党への逆風は予想以上だ」。吉報を待っていた支援者の口からため息が漏れる。石破茂首相は戦後最短の就任8日後に衆議院解散を決行。10月27日に投開票され、北海道内12の小選挙区のうち、9選挙区を立憲民主党候補が制した。

衆院選は自民党派閥の「裏金事件」に端を発する「政治とカネ」問題が最大の焦点となり、自民、公明両党は過半数割れ。少数与党に転落した。


北海道建設会館取り壊し、再開発へ

札幌駅南口北4西3地区市街地再開発に伴い、敷地左側にある旧北海道建設会館が解体された。(中央街区の左上=2024年11月下旬撮影)

北海道建設業の象徴として半世紀以上にわたり業界発展を支えた建物が姿を消した。北海道建設業協会をはじめ主要建設関連団体の活動拠点。旋回式立体駐車場や化石が露出した大理石の内装材でも知られた貴重な施設だった。

栗田悟道建協副会長は「先輩たちが苦労して造ったビル。寂しいが思いを引き継ぎたい」と見守る。2025年には高層複合ビル新築が着工し、2028年に完成する予定だ。


道道美唄富良野線 悲願の全線開通

道道美唄富良野線の未開通区間での工事が完了し、美唄市と富良野市を結ぶ55.8キロ全線が開通した。8月26日の通り初めで桜井恒美唄市長、荻原貢芦別市長、稲葉武則富良野市副市長が通行車両を見送り、37年越しの開通を祝った。(画像)

美唄市から芦別市までの未開通区間17.3キロは、1987年に北海道開発局が事業化して着工。2010年度からは北海道が工事を進めた。トンネルや橋梁の施工、地滑り対策など幾多の難工事を経ての完成。観光アクセス向上や新たな物流ルート形成が期待される。


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