すすきのビル火災、消防庁が類似ビルの防火徹底要請/札幌市 点検や注意喚起
消防庁は直通階段が一つの建築物について、防火安全対策を徹底するよう呼び掛けている。11月26日に札幌市内のすすきので発生した雑居ビル火災を受けた措置。北海道は全道市町村の消防本部に、この通知に基づく注意を喚起した。札幌市消防局は予防部予防課が公式SNSで市民に防火を呼び掛けているほか、類似構造物の点検時は避難経路などに注意するよう10消防署の予防課に通知した。(画像は火災のあった雑居ビル、11月27日撮影)
21年大阪ビル火災でガイドライン
国土交通省と消防庁は2021年12月に発生した大阪市北区のビル火災を受け、火災安全改修に関するガイドラインを作成。直通階段が一つの建築物(一階段対象物)の場合、既存の直通階段から離れた位置に直通階段か、避難に有効なバルコニーを設置することが望ましいとした。設置が難しい場合は避難・救助まで一次的に退避できるスペースを設置する。
直通階段の火炎が広がる竪穴部分で防火・防煙区画が形成されていない場合は、竪穴部分以外や準耐火構造の壁、防火設備などで区画。直通階段以外の竪穴部分でも可能な限り防火・防煙区画化することを推奨している。
併せて作成した避難行動に関するガイドラインでは、竪穴部分や退避区画、階段・廊下・避難口といった施設の適正な維持管理のほか、収容人員が300人以上などの要件を満たす建築物に防火対象物点検報告を求めている。
札幌市、ビルの避難経路を点検
北海道はこれまでも消防・避難設備の未設置や不適正な管理など消防法令違反の是正に努めているため、各消防本部への呼び掛け以外に特別な取り組みは予定していない。
札幌市は火災があった中央区を管轄する中央消防署が市都市局や中央警察署と協力し、すすきの駅前通に面した30カ所のビルで避難経路と自動火災報知設備を点検。問題がないことを確かめるとともに、建物の所有者らに注意喚起した。
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