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【透視図】道内基準地価変動率はプラス維持

当時は「風が吹けばおけ屋がもうかる」くらい素人にはよく分からない話だったが、土地価格が上がればバブルが起きるという時代がかつてあった。もちろんそれだけでないとはいえ、主な原因の一つになっていたのは確かである▼仕組みはこうだった。地価が上昇すると土地を持っている人の担保価値も上がり、資金調達が容易になる。その資金が不動産への再投資や高額の消費に回り、お金がお金を生んでいった。

今では信じられないものの、銀行をはじめ金融機関が信用情報の精査もそこそこに融資を増やしていたのがバブル期の実態である。そんな過去の再現は望まぬにしても、好循環のいいとこ取りはしたいと願うのは自然なことだろう。道内の基準地価が堅調に推移している▼道が発表したことし7月1日時点の全道平均変動率はプラス0.4%。2022年の1.6%、2023年の2.3%より低いとはいえ、長らくマイナスにあえいできた現実を振り返れば経済環境に上向きの動きが出ているのは間違いない。

ラピダスの次世代半導体製造工場建設で千歳の上昇率が際立って高いほか、北海道ボールパーク開業で北広島、観光需要回復で富良野やニセコ地域の好調も目立つ。都心部再開発や新幹線延伸が進む札幌も相変わらず上昇率は高いようだ▼風が吹いていない地域の人からすると、格差ばかり感じさせられる話題かもしれない。ただ資金の好循環が消費の拡大や新事業の創出につながれば、経済活性化の波は一、二次産業を中心とする全道各地にも及ぶ。今は小さいバブルならほしいくらいでないか。


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