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【新年特集2025】遺跡・史跡で周遊、魅力向上で観光客を呼び込め/北海道渡島・檜山地域

北海道南部の渡島・檜山地域の魅力と言えば、豊富な文化財だろう。定番の五稜郭をはじめ観光スポットとなる近代資産の存在は大きい。2021年には南茅部地域の縄文遺跡群が世界文化遺産に登録され、注目度は依然高まっている。さらなる観光客の呼び込みに向けては、周遊観光とどう結びつけるかがポイントだ。模索が続く各地の取り組みや計画をひもとく。

※2025年1月6日 地図の都市名に誤りがあり訂正しました。


世界文化遺産・南茅部の縄文遺跡郡

北海道が拠点形成方針案

北海道・北東北の縄文遺跡群の世界文化遺産登録から3年余りがたった。次の目玉は道内縄文遺跡群を保存・活用するための拠点施設だ。

北海道が整備計画策定に向けて2022年5月に議論を始めた。保全、教育、普及、情報発信、誘客、交流、研究の7つの機能を持たせる方針を掲げ、有識者からの意見聴取を重ねた。函館市は経済団体などと共に市内への設置を強く要望。世界遺産を構成する垣ノ島、大船の2遺跡を南茅部地域に持ち、関連資産の鷲ノ木遺跡も近隣の森町にあるためだ。

2024年11月に拠点形成方針案をまとめた。全体を統括する拠点機能を札幌圏に置いた上で、入江貝塚や北黄金貝塚、キウス周堤墓群がある道央圏のほか、道南圏にそれぞれ地域支援機能を設ける構想。道南では南茅部地域を候補地とした。

2025年度からは案を踏まえて具体化に向けた検討に入る。南茅部地域では国道278号尾札部道路などのアクセス網整備が進み、函館空港や北海道新幹線を使う来訪客も期待できる。1万年にわたって文化を紡いできた縄文人の精神性を広くアピールする施設の誕生が望まれる。

垣ノ島遺跡がある南茅部が縄文拠点施設の候補地に

鷲ノ木遺跡で地域活性化を

森町は国指定史跡の鷲ノ木遺跡に広がる環状列石(ストーンサークル)とその周辺整備を計画中。現在は一般公開していないが、かけがえのない遺産を保全して観光客を誘致するため、遊歩道と遺跡までのアクセス道を造成する。サークルの保全も進めて有効活用につなげる。

サークルは約4000年前の縄文後期前半に造られた道内最大規模の祭祀遺跡。周りを列石が二重に巡るような配置で、周辺には土杭墓と堅穴墓もあり、当時の暮らしや信仰の一端を知ることができる。

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