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帯広市で記録的大雪/小雪から一転「恐怖感じる」、北海道十勝地方で大荒れ
十勝地方を中心とする道東で記録的大雪となっている。帯広市は2月4日午前9時の12時間降雪量で120センチを記録し、2022年に山形県小国町で記録した91センチを抜き国内観測史上1位となった。除雪業者が作業中に「恐怖を感じた」と表現するほどの大雪。ほぼ積雪がなかった記録的小雪から一晩で一転。建設業者や住民は対応に追われた。
店舗の臨時休業など生活に影響
気象庁によると帯広市の積雪は2日時点で5センチしかなく、4日午前まで市道除雪の一斉出動はなかった。除雪業者は「1回目の除雪がここまで遅いのは異常」と話す一方で「2月に入り一気に降るのでは」と警戒していた。
雪は3日夜から勢いよく降り始め、4日午後3時の24時間降雪量は帯広市の124センチをはじめ、十勝管内5地点や白糠町で過去最高を記録した。
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帯広市の道路除雪は4日午前0時に初出動し、幹線道路を中心に作業を進めている。市民は早朝から除雪に追われ、道幅の狭い住宅地では車の立ち往生も発生し、除雪車が入れない場面もあった。
十勝管内各地の店舗や公共施設は臨時休業や開店遅延を判断し、ごみの収集を中止するなど市民生活に大きな影響が出ている。
除雪業も苦戦、現場も臨時休業
除雪業者も過去にない大雪に苦戦。髙堂建設(帯広)のベテラン作業員は「前が見えないほどの降り方。どこに道路があるか分からないので恐怖を感じた」と振り返る。フクタ(浦幌)は「これまで出動ゼロだったので良かったと言いたいが、こうも一度に降られては困る」と話す。
建設現場も対応に追われた。西江建設(帯広)は西江靖幸社長が臨時休業を判断し、4日午前6時に全社員へ連絡。入札など急ぎの業務がある従業員だけが出社した。十勝管内で施工する3現場は、除雪を進めつつ作業に当たった。村井建設(釧路市)は出社が難しい社員をリモートワークに切り替えて対応した。
帯広建設管理部は3日、各現場に対し大雪による被害が出ないよう連絡し、稼働の判断を受注者に任せた。道道の除雪は3日午後10時から継続している。佐々木昇地域調整課長は「4日朝に出勤できた職員は3分の1程度。多くが自宅待機になった」と話す。
通行止めや公共交通運休が多発
交通への影響も大きい。北海道開発局と東日本高速道路北海道支社は大規模な車両滞留を想定し、3日午後10時から道東自動車道夕張IC―十勝清水IC間と国道38号狩勝峠、236号野塚峠、273号三国峠、274号日勝峠の4路線を予防的通行止めとした。
大雪の影響で十勝や釧路地方ではJRや都市間バスが運休。4日午後5時には狩勝峠、野塚峠、日勝峠の通行止めが解除されたが、道央圏を結ぶ道路が一時寸断されたことで物流への影響も必至だ。
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一方で風による被害も出ている。宗谷地方では最大瞬間風速25メートルの暴風で雪が舞い上がり、管内の道道12路線が通行止め。利尻島では吹きだまりが発生し道道全線を封鎖して夜通しの除雪を進めた。別海町では倉庫の屋根が強風で飛ばされる被害が出た。
北海道は4日午前8時45分に災害対策本部を設置。防災関係機関と連携し、情報把握や対策に努めている。
北海道地方の12時間降雪量
※40センチ以上
帯広 120センチ
本別 107センチ
芽室 105センチ
浦幌 78センチ
帯広泉 76センチ
白糠 69センチ
中札内村上札内 67センチ
上士幌町ぬかびら源泉郷 51センチ
新得 51センチ
広尾 49センチ
大樹 48センチ
根室中標津 42センチ
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