北海道・札幌市を金融・資産運用特区に決定、GX集積・成長へ出資や水素で規制緩和
政府は6月4日、北海道・札幌市など全国4地域を、金融・資産運用特区に決定した。金融庁は同日、金融・資産運用特区実現に向けた政策パッケージを公表。金融機関によるGX関連事業出資の規制緩和、圧縮水素の貯蔵上限緩和など、北海道・札幌市の要望を盛り込んだ。国税の優遇措置は全面的に見送った。北海道内の関係者は好機と捉え、人口減少や経済停滞の解消、インフラ整備の加速に期待を寄せる。
集積と成長、国家戦略特区を活用して実効性を担保
国内外の金融・資産運用業者を集積させ、地域の成長産業が発展できる環境整備を目指す。法律や制度上の裏付けがなく、実効性を持たせるには国家戦略特区の活用が不可欠となる。
このため、岸田首相が議長を務める国家戦略特区諮問会議が6月4日、北海道・札幌市の特区指定を了承した。国の取り組みは国家戦略特区以外を含めた全国適用措置と、特区に限った地域限定措置がある。
GX産業への投資促進に向けては、銀行法の「一定の銀行業高度化等会社」の枠組みで、特区に限り金融機関がGXに出資しやすくする。金融庁の担当者は「メガバンクだけとは想定しておらず、むしろ地域金融機関が主だと思っている」と説明。今後の全国拡大も見込む。
GX産業の振興・育成の取り組みでは、圧縮水素の貯蔵量上限の上限規制緩和について2024年度内に結論を出すとした。その上で、水素の社会実装に向けた検討を速やかに始める。
洋上風力では、発電施設の設置保守に外国籍船を活用するため、必要な省令改正に取り組む。外国人材の在り方も検討する。資産運用業者の集積に向けた手続き面では、今は都内だけにある拠点開設サポートオフィスを2024年度内に他の3地域にも設置。英語対応で外資の行政手続きを支援する。外国人の口座開設も金融機関や自治体と連携してサポートするとし、銀行の専門人材育成に期待を掛ける。
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