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【札幌】市の設備設計入札で中止・不調の増加が突出/背景に業務増と人手不足

札幌市財政局発注の設備設計の制限付き一般競争入札で、受注者が決まらない案件が急増している。2024年度上半期(4月―9月)開札分で79件と前年度同期に比べて倍増した。応札者ゼロの中止が目立ち、再公告や再々公告でも落札しないケースが少なくない。苦境の背景には官公庁全体の業務量増加があるとみられ、市職員の負担も重くなっている。業界関係者らの声を交えて実態を伝える。(高田陸)


設備設計が突出、中止・不調倍増

札幌市の入札情報を基に業種が設備設計の案件を対象とし、応札者がいない中止、札入れで価格が折り合わない不調を集計。同一名称の入札でも公告ごとに1件と数えた。監理業務のほか、公共事業に伴う補償金を算定する物件支障調査は、業務の性格が異なるため含めていない。

近年の中止・不調件数の推移を見ると、2023年度上半期は38件で、前年度同期と比べて数倍に急増した。24年度上半期はさらに増え、全体に占める割合は63.2%に上った。建築と土木の設計では5―10%にとどまっていて、設備設計が突出して多い。

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