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エレベーターで建物内を移動するロボット/配達・清掃支援に、つうけん提案

つうけん(札幌)は、ロボットを使い建物内の配達や清掃作業を支援するサービスの導入提案を北海道で加速する。エレベーターを改造せずにロボットと連動させるパートナー企業の技術を生かし、障壁だったフロア間の移動を実現。電気通信設備の設計・施工技術を生かして、ビル管理の担い手不足解消に貢献する。

親会社のコムシスホールディングスでソフトウェア開発を手掛けるコムシス情報システム(東京)と協業。人工知能(AI)を用いたロボット開発のエイム・テクノロジーズ(東京)、日本オーチス・エレベータ(東京)もプロジェクトに加わる。

つうけんが提案するシステムの特長は、エレベーターを改造せずにロボット連携できるエイム・テクノロジーズの技術だ。同社は2019年の設立以来、デリバリーロボットや清掃ロボットなどを製品化。ビルの清掃やホテルでの接客といった業務を支援する中、1台のサービスロボットが複数のフロアに対応できるEVソリューションの確立に取り組んできた。

ロボット連携できるエレベーターは増えつつあるが、交換や改造など大規模な工事を要するのが課題。そこでエイム・テクノロジーズは、エレベーターの籠上部などにモジュールを取り付けるだけでロボット連携できる技術を開発した。約30年前までに製造された国内外メーカーのエレベーターに対応。半日で施工できる。

エイム・テクノロジーズの技術に着目した日本オーチス・エレベータは、エレベーターとサービスロボットをクラウドで連動させるシステム「Otis Integrated Dispatch(OID)」と組み合わせた。これにより一連のシステムは定額料金で利用でき、初期投資の負担を軽減。使用するロボットの追加もシステム上で完結する。

エレベーターを使った自律走行でフロア間を移動する清掃ロボット

つうけんは、これらロボットを使ったサービスを体感できるショールームを10月25日、札幌市内のつうけん白石ビルに開設した。取引先企業を招いたオープニングセレモニーで、運用中のエレベーターを使ったロボットによる配達と清掃を実演。人の助けを借りずにロボットがEVでフロア間を自律走行する様子を披露した。11月7、8日にアクセスサッポロで開かれる「北海道ビジネスEXPO」で展示する予定だ。

橘川龍也社長は「通信環境とのチューニングは当社の強みであり、お客さまの近くで貢献できれば」と展望。コムシス情報システムのノウハウを生かし、さまざまなアプリケーションとの連動もきめ細かく進めるとしている。


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