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【新年特集2025】遠方の建設現場、どこに泊まる?十勝のおすすめ宿+α

地域のインフラ整備を担う建設業の従事者。自宅や会社から通うのが難しい遠方の現場を担当することもある。その時、どこに泊まるのか…。十勝で候補に挙がる3つの宿、管内最北端に位置する陸別町唯一の旅館「浜田旅館」、建設業者が展開するホテル「KOYA.lab陵雲荘」、トレーラーハウス「モバイルアパート」を紹介する。


浜田旅館、陸別町唯一の旅館 

帯広市街地から100キロ、車で2時間の陸別町。陸別37にある浜田旅館は町内唯一の旅館だ。宿泊客の9割が建設業者で、工事が少ない3、4月を除き、平日は満室になる日がほとんど。濱田正志社長は「近くの北海道横断自動車道の現場が始まる前から、予約は業者でいっぱい」と話す。

情緒あふれる昔ながらの外観が目を引く

エアコン完備快適な客室

建物はW造、2階、延べ880平方メートルの規模。完成から約50年が経つが、館内の客室は清掃が行き届いている。客室は1部屋5―6畳で20室。部屋にはテレビや冷蔵庫、エアコン、FFストーブが備えられ、季節を問わず快適に過ごせる。寝具はベッドと布団の2種類を用意。宿泊客の希望に添う形で割り振る。トイレと風呂は共同で、男湯は大浴場、女湯はユニットバス。コインランドリーも併設している。

客室はきれいで過ごしやすい

毎日変わるおいしい食事

森林調査で陸別町を訪れ、長期宿泊する松橋一己さんに聞くと「食事がいい。あっさりした味付けでおいしい」と高評価だ。

長期宿泊者が飽きないよう献立は毎日変える。夕食には日替わりの刺し身が付き、マグロは豊洲市場から直送したものにこだわる。取材当日の夕食はチキンカツ、ツブの刺し身、キムチ味の野菜炒め、鶏肉と大根の煮物。朝食は焼き魚、イカの酢の物、長芋の千切り、キュウリともやしのピリ辛あえ。朝夕食ともにご飯とみそ汁が付く。

希望者には700円で昼食の弁当を提供する。肉料理や揚げ物、焼き魚のほか、煮物など野菜も入ってボリューム満点だ。

1人分の宿泊料金は、1泊夕朝食付きで1人部屋7200円、2人部屋7000円。11月1日―4月30日は冬季料金500円が加算される。

肉団子やコロッケが入っている昼食の弁当

ホテル陵雲荘、トレーラーハウス

KOYA.labが展開

岡崎組(本別)の岡崎慶太常務が社長を務めるKOYA.lab(コヤラボ)は、足寄町内のホテル「KOYA.lab陵雲荘」や自社製品のトレーラーハウス「モバイルアパート」を展開する。ともに足寄や陸別両町内の現場を持つ建設業者の利用が多い。

長期宿泊者に嬉しい配慮

足寄町里見が丘24の陵雲荘はW造、2階、延べ220平方メートルの規模。高台にあり市街地や雌阿寒岳を一望できる。雲海が高確率で発生する。客室はシングル3室、ダブル1室、ツイン2室で計6室。シングルは長期滞在する建設業者、ダブルとツインは主に観光客が利用する。

陵雲荘は足寄町の高台にある

多忙な建設業者への配慮として食事を工夫。朝早く出発する人向けに館内の自動販売機で上士幌町の人気パン店「トカトカ」の商品を取り扱っている。プライベートの時間を確保するため、長期宿泊者の夕食は地域飲食店の弁当を用意し、個々で食事を取れるようにした。現場代理人として出張した経験がある岡崎社長は「急な日程変更にも対応する」と話す。

時間短縮へどこでも設置

モバイルアパートはW造、延べ15平方メートルのトレーラーハウスだ。3畳の洋室2部屋と3.2畳の洗面所があり、2人で生活できる。現場のすぐ近くに設置することで、通勤時間の短縮が可能。毎年長期レンタルが入り、秋から冬にかけて利用が増える。利用者からは「狭いが問題なく寝られる。通勤しやすい」との声があるという。

モバイルアパートはどこでも設置可能だ

最大の特徴は水回り。キッチンやシャワーの排水は独自開発の完全循環型浄水システムで、再利用する水は水道水よりもきれいになる。課題はシャワー。寒さが厳しい陸別町は冬季の使用が難しく、改良を進めている。

岡崎常務は「陵雲荘、モバイルアパートともに毎年利用されているが、すいている時期もある。年中使ってもらえるように営業したい」と意気込む。

モバイルアパートの室内

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