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困り事解決する鍛冶屋が原点/経営の轍 16本目 オノデラ 小野寺康充会長

オノデラ(旭川)は柱だった建築鉄骨事業を切り離し、主軸を建機アタッチメント製作に振り向け業態転換を成し遂げた。「まちの困り事を解決する鍛冶屋」が創業の原点。小野寺康充会長は金融機関との調整に奔走、営業として顧客ニーズを掘り起こす弟の直道社長と両輪を回す。ボードゲーム開発などアイデアの具現化にも注力。「100年先へのバトンをつなぐには、今だけ良ければいいと思っては駄目だ」と社会との接点を重視する。(松藤岳)

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経営には道無き道をゆく難しさがある。「経営の轍わだち」は失敗やピンチに直面しても、悩みながら答えを出してきた経営者をシリーズで紹介する。(不定期掲載)


バブル崩壊で原点に立ち戻る

-会社の歴史は。

祖父が和寒町で雑貨屋を兼ねて鍛冶屋をしていた。父が旭川で鉄工所を立ち上げたのが1966年のこと。ブルドーザのキャタピラ溶接など小規模な修理が中心だった。

高度成長の中で建築系の鉄骨製作を主軸に成長していったが、私が入社した1990年代はバブルが崩壊し、建築需要頼みの経営が危ぶまれるようになった。当時10億円あった売り上げのうち9割を建築系鉄骨が占めていた。

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