千歳の今 住宅開発編/駅近くで賃貸住宅の投資過熱、供給は郊外へ広がり
ラピダス(東京)の次世代半導体工場新築が進む千歳市内で、常駐社員が住居を構え始めた。JR千歳駅徒歩圏の共同住宅に入居が集中し、物件は常に不足気味だ。これまでは駅西側の市街地が中心だったが、土地価格の高騰で末広など駅東側の住宅街に及ぶ。戸建て用の宅地開発も進み、造成工事が一斉に始まった。過熱する市内の住宅市場をリポートする。(武山勝宣、坂本健次郎、守田麻衣、及川由華)
過熱する都心の賃貸投資
不足する駅チカ共同住宅
「共同住宅の需要に対応できていない。JR千歳駅から徒歩15分圏内の物件はほぼないと言っていい」。千歳・恵庭賃貸管理協会の大井潤慈会長は、入居率が上昇した半面で新たに住居を借りたい顧客を逃しているとの危機感を募らせる。
千歳市や地元不動産団体が立ち上げた「居住支援千歳プロジェクトチーム」の一員。ラピダス社員らの賃貸仲介や住宅管理をサポートする。毎月1回、ラピダス千歳事務所で関係者が集まり、千歳に来る社員の動向や住居環境などを話し合っている。
ラピダスは社員向け住居としてJR千歳駅から徒歩12-13分でRC造の1LDKを要望。最近はRC造物件が少ないため、木造も対象にしたようだ。ただ、駅近くの賃貸住宅は不足していて、供給が追い付いていない。大井会長は「恵庭や北広島、苫小牧まで対象を広めないと対応は難しいのでは」とみる。