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印刷する公共工事/北海道で建設3Dプリンターの活用加速

型枠や2次製品に頼らずコンクリート構造物を製作できる建設3Dプリンターを渡島管内の元請け各社が今夏相次いで公共工事に導入した。職人不足の危機感などから全国的に活用の動きが加速。その波が北海道に上陸した。道内企業の挑戦と、国内屈指の活用実績を持つ道外ゼネコンの先行事例から本質を探る。(阿部みほ)


林道擁壁、港湾堤防付属工事で採用

中塚建設(福島)は6月、施工する渡島総合振興局西部森林室の林業生産基盤整備道桧倉川支線開設で、建設3Dプリンターを使って造形した残存型枠にコンクリートを打設し、擁壁を製作した。7月には菅原組(函館)が直轄工事で用いた。

どちらの現場もPolyuse(ポリウス、東京)の機材を使用。ポリプロピレン繊維が混ざったゲル状モルタルを硬化前に積み重ねることで各層が強く結び付き、打設コンクリート同様に強固な構造物を造形できる。唯一の国産建設3Dプリンター開発企業として2019年に創業して以来、全国140件の施工に参画した。

ノズルから吐出されたゲル状モルタルを積み重ねる

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