【透視図】師走
気づけばもうそこにいて、気遣いも礼儀もなく追い立ててくる。毎年のことながら、師走というのはなぜこうも人を慌ただしい気持ちにさせるのか▼小説家の山本周五郎も随想にこう書いていた。「十二月になると一日一日に時を刻む音が聞えるようである。ほかの月にはこんなことはないし、そんな感じのすることがあっても、十二月のそれほど脅迫感はない」。その時の音を刻む速さに、身を縮ませていたそうだ。
気づけばもうそこにいて、気遣いも礼儀もなく追い立ててくる。毎年のことながら、師走というのはなぜこうも人を慌ただしい気持ちにさせるのか▼小説家の山本周五郎も随想にこう書いていた。「十二月になると一日一日に時を刻む音が聞えるようである。ほかの月にはこんなことはないし、そんな感じのすることがあっても、十二月のそれほど脅迫感はない」。その時の音を刻む速さに、身を縮ませていたそうだ。