【透視図】週刊誌は証拠いらず
妖怪の客観的研究でも知られる仏教哲学者の井上円了が、随想「迷信解」で怪談について興味深い考察をしていた▼「天狗のこと」の段から一節を引く。「諸方に天狗談が伝わるときは、物ずきの人ありてこれにいろいろのおまけを付け、針小棒大にいいふらし、また小説家や画工はこれを材料として一層人の注意を引くように繕い―」。うわさ話や見間違いに尾ひれを付ける人がいて、怪談が出来上がるわけである。
妖怪の客観的研究でも知られる仏教哲学者の井上円了が、随想「迷信解」で怪談について興味深い考察をしていた▼「天狗のこと」の段から一節を引く。「諸方に天狗談が伝わるときは、物ずきの人ありてこれにいろいろのおまけを付け、針小棒大にいいふらし、また小説家や画工はこれを材料として一層人の注意を引くように繕い―」。うわさ話や見間違いに尾ひれを付ける人がいて、怪談が出来上がるわけである。