ことしは仕事を終えて家に帰ると着替えもそこそこテレビの前に陣取り、応援に熱くなっていた道民も多かったのでないか。次第に順位を上げていくにつれ、その熱量は上がる一方だったに違いない。もちろんプロ野球の北海道日本ハム・ファイターズがレギュラーシーズンで快進撃を見せ続けた話である▼「優勝なんか一切目指しません」との意表を突いた宣言で始まった新庄剛志監督率いるチームの3年目だった。

清宮幸太郎をはじめ、万波中正、田宮裕涼ら。もともと経験の浅い若手選手の多いチーム。「桃栗三年」というが、時間をかけて育ててきた選手たちがついに花開き、実をつけた観がある。加えて田中正義、郡司裕也、マルチネス、水谷瞬ら。他球団で原石のまま埋もれていた選手たちを見つけて磨き、スターに押し上げた▼助っ人外国人のレイエスを引っ張ってこれたところを見ると、運にも恵まれていたようだ。もちろん松本剛や上川畑大悟ら野手陣、伊藤大海ら投手陣の活躍も見事のひと言。

結果はレギュラーシーズン2位。ＢＩＧＢＯＳＳ時代は1年目だからと成績が悪くても優しく眺め、2年目は応援しても応援しても勝てないことに無力感を覚え、3年目にしてようやく祝杯を挙げる日が当たり前になった▼今日からクライマックスシリーズ（ＣＳ）が始まる。ファーストステージの相手は千葉ロッテ・マリーンズ。決戦の地は自力でつかんだホーム、エスコンフィールドである。このまま一気に駆け上がってほしいが、まずはこの一年そうだったように全力で応援し、楽しみたい。

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