e-特集北海道新幹線

《時評》青函トンネル、新幹線疾走

2016年3月26日付

 北海道新幹線新青森―新函館北斗間が26日、開業する。青函トンネルに新幹線が走ることを未来に託した、先人たちの夢が現実となる。1964年の掘削開始から52年、供用開始から28年。経済圏が拡大され、これまで以上に人やモノが往来する新幹線時代の到来が、本道創生の第一歩になることを期待したい。

 海底下を掘り進めた青函トンネルの工事は困難を極めたが、先人の知恵と誇りで克服し、その技術は世界的にも注目を集めた。当時、作業に従事していた川元正明さん(82)は「新幹線の走行が最終目的だった。これまでの苦労が報われる」と感慨深げに振り返る。

 そういう思いを紡ぎ、青函トンネルが有効活用されることは意義深い。「開業を喜ぶだけでなく、先人の思いをかみしめながら、新幹線を私たちの活力の源にしていく」。1週間前、慰霊碑を訪問した高橋はるみ知事は誓った。

 高速、安全、快適、大量輸送、定時性―。最高速度が時速260㌔の北海道新幹線開業を利用することで、新青森まではこれまでより約1時間短縮され、新函館北斗―東京間は最速4時間2分となる。

 東京までは、航空機より新幹線を選ぶとされる「4時間の壁」を切れなかったが、新たな圏域が生まれる可能性もある。八戸、新青森に続く3度目の開業を迎える青森県とは1時間の通勤圏。180万人規模の「津軽海峡交流圏」は両地域の活性化になるとともに、域外への発信力も強まることが予想される。

 日本政策投資銀行によると、開業による道内の経済効果は年間約136億円に上る。北関東や南東北などからの来訪客増への期待値が高いほか、「食の大地」といわれる本道は、域内での自給率が高いことから波及効果もありそうだ。

 道南地域では、新幹線を核としたまちづくりが展開され、「H5系」が本道に初上陸した2014年秋ごろから住民の機運が高まっていくのを感じた。開業から9日間の予約率は4分の1程度だが、観光シーズンはこれからだ。

 定時性という面では、天候に左右されやすい空路とは異なり、雪国では大きな利点となる。新幹線は文字通り「線」として地域を結び、その沿線では投資が生まれる。観光やビジネスだけでなく、教育、医療などさまざまな分野にも新たな移動ツールは役立つだろう。

 開業効果を一過性のものにせず、持続・波及させることが、われわれの使命となる。

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