千歳市は、公立化を決めた千歳科学技術大に関し、同大立地による経済波及効果が年間約12億円に上るとするデータをまとめた。2011年度から15年度の平均値から算出。一方、施設整備による5年間の効果額は計8億9370万4000円としている。
直接経済効果が約8億円、生産波及効果が約4億円という内訳。教育・研究活動による効果、教職員や学生の消費による効果、その他の活動による効果、施設整備にかかる効果について、北海道産業連関表をベースとした経済波及効果分析ツールにより分析した。
教育・研究活動では消耗品費や出版物費、報酬委託手数料などを設定。地元発注率は28.7%とした。
教職員や学生の消費では地元購買率が82.3%と算出。学生の居住形態については、市内の下宿やアパートなどに住む学生は5年間で平均266人で、1人当たり年間43万円の住居・光熱費を消費しているとした。
その他の活動では、公開講座やオープンキャンパス、入試に伴う宿泊費や交通費などを積み上げている。
校舎など施設の新築や改修、修繕に伴う5年間の効果額は、施設関係が1207万3000円、設備関係が6855万9000円、減価償却引当特定資産繰越支出が8億1307万3000円で、地元発注率は80%と記載。
分析では、経済効果以外でも産業振興や教育、文化といった幅広い効果が地域にもたらされていと指摘し、同大を公立化して存続させる意義をあらためて示した。