新千歳空港ターミナルビルディング(本社・千歳)が進めていた新千歳空港国内線ターミナルビル大規模改修が7月31日で全て完了した。旅客数の増加による混雑、就航する航空会社の増加とサービスの多様化に対応する。
同社が同日開いた記者レクチャーで、永井誠一常務と中沢正博計画部長が整備の経緯と概要を説明。S一部RC造、地下1地上4一部5階、延べ18万2517m²(ホテル部を含む)のうち、1階から3階の延べ4万7000m²を対象とし、事業費230億円を投じた。設計施工は清水建設・東急建設・戸田建設・岩田地崎建設・橋本川島コーポレーション・萩原建設工業共同体が担当した。
チェックインカウンターや保安検査場、荷さばき場を再配置。一部1階にあったLCCカウンターも全て2階に移し、分かりやすい配置とした。受託手荷物検査にはインライン方式を導入。セキュリティー強化とカウンター前の混雑緩和を図った。
出発ロビーは拡充。ランプバス用のバスラウンジを1階で南北1カ所ずつ新設し、2階の搭乗待合室で待たずに済むようにした。天井耐震化やスプリンクラー設置、トイレなどバリアフリー化も施した。
ビルを運用しながらの整備で、終えた部分から順次供用開始。2015年3月から18年3月までとしていた工期は、労務費高騰や天井張り替えの範囲拡大、エレベーターとエスカレーター設置箇所の追加などで7月まで延びた。
永井常務は「1992年の供用開始以来、大規模な空港機能の整備は初めて。旅客数は増え続けているので、民間委託後のSPC(特別目的会社)につないでいきたい」と話した。同社は現在、国際線ターミナルビルの拡張を進めている。