13日に北大でシンポ
北海道産学官研究フォーラム(理事長・三上隆北大名誉教授)は、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の関心が高まっていることを受け、産学官で構成する研究会を設立する方針だ。足掛かりとして13日午後2時から北大学術交流会館でシンポジウムを開き、MaaSがもたらす北海道の未来について考える。
MaaSは、さまざまな交通手段をICTの活用などで最適化し、個人にとって最良の「移動」手段を提供する交通体系を示す概念。
人口が過密化する大都市では交通渋滞緩和や環境対策、人口減少にあえぐ地方では維持が難しくなる公共交通に変わる移動手段の確保策として注目されている。
同フォーラム事務局では「将来的には自動運転技術やコンパクトモビリティ(超小型の移動手段)との融合で、人口減少に悩む地方の足を確保し、地域活性化の手段になる可能性がある」と強調する。
道内でもモデル的な取り組みがスタートしていることを受け、近く北大大学院の岸邦宏准教授を中心に、産学官でMaaSを研究する場を立ち上げる。
設立のキックオフイベントとなるシンポジウムは、MaaSや交通体系の変革について多数の著書を持つ、計量計画研究所の牧村和彦研究本部企画戦略部長が基調講演する。
岸准教授を司会に、道内でMaaSプロジェクトに関わる未来シェアの会長を務める中島秀之札幌市立大学長、十勝バスの野村文吾社長らを交え、北海道の未来を展望する。
同フォーラムでは、シンポジウムの参加者を募集している。
(北海道建設新聞2019年12月4日付1面より)