「April Dream」プロジェクト
4月1日は、うそをつくことが1年で唯一許されるエープリルフールだった。欧米では報道番組がジョークニュースを流すなどして人々に話題を提供しているが、日本では近年、企業や団体がかなえたい夢を発信する「April Dream」というプロジェクトが盛り上がっている。1日に発信された企業発のニュースをあれこれ紹介する。いずれも「夢」のため取り扱いには注意が必要だ。
ラコル(本社・札幌)は、車内から映画を鑑賞する「ドライブインシアター」を復活させるため、全国47都道府県でツアーを開く。所有する巨大スクリーンを持ち運び、全国を行脚。コロナウイルスの感染拡大で映画館やライブハウスなど多くの娯楽施設が休業に追い込まれる中、ドライブインシアターの体験でコロナ疲れを発散したり、地域のにぎわい創出につながればと考える。
太陽光発電の一括見積もりサイトなどを運営するグッドフェローズ(本社・東京)は、空に浮かぶ「ソーラーエネルギー島」を開発すると発表した。島一面に太陽光パネルを敷き詰め、あらゆる動力を賄う。発電した電気は無線送電システムで日本に送り、顧客に使ってもらう。運営する土地付き太陽光発電投資物件サイト「タイナビ発電所」でも、ソーラーエネルギー島の投資物件を掲載する方針だ。
スペイン企業のISSE Safety(イッセ・セイフティ)は、自社の布製タイヤチェーン「ISSEスノーソックス」で使用する高強度繊維をアスファルトに融合させ、次世代型の高速道路を建設すると発表した。
スノーソックスは欧州や北米で高いシェアを獲得していて、日本には2019年に上陸した。圧倒的なグリップ力と快適性、取り付けやすさを特長に持つ。建設するISSEスーパー・セイフティ・ロードは、雪が降ると繊維が瞬時に水分を吸収し、ドライ路面と同じように走行できる高速道路。絶対にスリップしない道路―として、日本の超高齢化社会に貢献する考えだ。
経営コンサルティング会社のグローカル(本社・東京)は、地方の中小企業の事業承継問題を解決するため、後継者育成プログラム「Student Manegment Cafe」を全国展開すると発表した。大学生が主体となって経営するカフェ。学生は接客やメニュー開発、収支管理など経営をリアルに体験できる。キャリアを漠然と選ぶのではなく、経営者や起業家を目指したり、家業を承継するといった選択肢をリアルに考えられる。事業承継問題を根本的に解決するとし、全国展開を決めた。
Beat Communication(本社・東京)は、内蔵するIoTシステムで相手の恋愛感情をキャッチし、生地が変色することで恋のチャンスがあるかを判断するIoTネクタイを発売した。恋愛感情の検知後、ネクタイに織り込まれた特殊シルクが直ちに反応し、赤色に変色する仕組み。草食系の男子を肉食系に改心させてしまうような衝撃的なネクタイで、恋の空振りによる精神的ダメージを回避でき、確実にヒットを得たい男性にぴったりのビジネスギアだ。
RevComm(本社・東京)は、社長に代わり経営判断を下す人工知能(AI)「社長ロボ」を5年以内に上市すると発表した。音声認識AI搭載型クラウドIP電話サービス「MiiTel」を通じて集めた膨大な企業データを活用し、ユーザー企業の経営情報と統合することでAIに経営判断を仰いだり、相談事へのいわゆる「壁打ち」相手になってもらう。
(北海道建設新聞2020年4月3日付3面より)