6月1日現在 平均124・4円に
道内ガソリン価格が修正局面を迎えている。記録的な原油安から5月上旬まで値下がりが広がっていたが、中旬から値上がりに転じた。欧米を中心に新型コロナウイルスによる行動規制の緩和が進み、石油製品の需要環境が改善したことで原油相場が回復。石油元売りの製造コスト上昇で卸価格が引き上がり、販売価格を是正する店舗が相次いだ。札幌市内は一時100円割れのスタンドもあったが、6月に入り120円台が大勢にある。
資源エネルギー庁によると、6月1日現在の道内レギュラーガソリン平均価格は1㍑当たり124・4円で前週比3・2円上昇した。3週連続の値上がり。5月は上旬に6・4円と大幅値下がりしたが、中旬以降は立て続けに値上がりしたため、月の変動幅は0・5円の下落に収まった。
軽油は107・4円で3・1円上昇した。5月上旬に97・9円まで下がり2016年5月以来の90円台に突入したが、中旬から反転し、再び100円台に戻った。
低迷していた原油相場の反転が要因。4月に米国産標準油種WTIの先物相場で史上初のマイナスをつけるなど低空飛行を続けたが、5月下旬になって30㌦台後半まで回復し、先高観が強まっている。
原油相場の回復は、欧米で新型コロナウイルスによる行動規制が緩和され、ガソリンなど石油製品の需要環境が改善したことが大きい。サウジアラビアやロシアなど産油20カ国で構成するOPECプラスが5月1日から協調減産を再開したことも材料となった。
札幌市内は5月上旬まで100円を割り込むガソリン価格が散見されたが、石油元売りの卸価格上昇を受けて、中旬からコスト転嫁を進める店舗が目立った。6月入りした現状は120―125円が中心値となっている。販売競争の激しい旭川や函館も徐々に是正が進んでいるという。
上川管内のガソリンスタンド業者は「新型コロナウイルスによる外出自粛が徹底されたため、4、5月のガソリン販売は壊滅的な状況だった。販売量で稼げない分、どこの店舗もマージン(利幅)を重視している。安売りは今後厳しいのでは」と話している。
(北海道建設新聞2020年6月5日付3面より)