交通安全性向上、物流効率化に期待
悲願の新天塩大橋が完成、交通の安全性向上や物流効率化に期待―。天塩町と幌延町は19日、留萌開建と稚内開建が進めている国道40号天塩防災で、新天塩大橋(橋長506m)が完成したことを受け現地で現場見学会を開いた。両町の首長や町議会議員、留萌・稚内開建職員、工事関係者ら28人が出席し、新たな交通ネットワークの誕生を祝った。
佐々木裕之天塩町長は「1957年に旧天塩大橋が完成する以前は、渡船による河川の交通があったと聞いている。そういった歴史を思い返し、先人の思いを受け継いでいく。新天塩大橋は、旭川と稚内を結ぶ交通ネットワークで心待ちにしていた」とあいさつ。
野々村仁幌延町長は「新たな橋梁は悲願だった。道路幅員は拡張され歩道も設置された。大型車両の交差もできるようになり、さらにサイクルツーリズムなど車以外の移動手段をもたらす」と、観光振興にも寄与することを強調した。
留萌開建羽幌道路事務所の児玉浩文所長は工事報告で「桁の形式が橋の中央部で変わるため、通常は継ぎ目を設けるが異なる形式の桁同士を結合して、継ぎ目を解消し走行性向上などを図った」と新橋の特長を解説。
佐々木町長と野々村町長が橋銘板を取り付けた後、出席者は完成間もない新橋を歩き、下流側に望む旧橋と利尻島の景色などを楽しんでいた。
天塩防災は、天塩町オヌプナイから幌延町元町までの約13㌔で2008年度に事業化。天塩大橋架け換えは13年度に着工し、旧天塩大橋から東側約940mに架設。橋長が506m、全幅が13・5m。留萌開建と稚内開建は、天塩大橋架け換えが完了したことを受け、30日午前11時から天塩町ウブシ―幌延町幌延間1・6㌔区間のルートを変更する。(留萌、稚内)
(北海道建設新聞2020年10月21日付8面より)