現場内を飛び回るドローンを操る櫻井千田(本社・奈井江)事業推進室の佐々木悠香さん。彼女は2年前まで、ドローンに触ったこともない事務員だった―。
佐々木さんは奈井江商高を卒業後、2017年度に櫻井千田に入社。総務部(現・管理部)の事務員として3年間務め、20年度に働き方改革やICTなど昨今のニーズに対応した体制づくりや支援を目的とする事業推進室に異動。昨年8月ごろからICT推進と現場の手助けの一環として、ドローン操縦に取り組み始めた。現在は主に、工事現場での事務処理のほか、ドローンを活用し、現場内のデータを作成している。
これまでと業務内容は一転したが、佐々木さんは「高校のインターンシップで土木現場で働く人たちを見てから、自分も現場でのサポートができたらと思っていた。ようやく実現した」と話す。
ドローン操縦を始めた当初は、知識は全くのゼロ。そのため、現場見学からのスタートで、実際に操縦した際には緊張もあり、戸惑うことも多かった。それでも現場作業員の協力やドローンに慣れている社員からのアドバイスを受けつつ地道に作業を継続。次第に問題なくデータ採取ができるようになった。
ことし3月にはドローン操縦者の民間資格「DJIスペシャリスト」も取得し現場に慣れ始めている。
そんな佐々木さんの働きぶりを、櫻井康貴社長は「苦労しているのはよく分かる。慣れない中で精いっぱいよくやってくれている」と評価。今後の展望として、技術職としての活躍も視野に入れているという。
佐々木さんは「これからも現場で働く人の役に立つため、必要があれば各種資格の取得もしていきたい」とマイペース。業務に取り組む中で、「将来については少しずつ考えを固めていく」と話している。(岩見沢)
(北海道建設新聞2021年6月23日付10面より)