芽室町は、20年後の町の在り方をまとめるまちなか再生ビジョンの策定に向けて、JR芽室駅と芽室公園を起点とする、まちなかの範囲案を示した。芽室公園や特産品など地域資源を生かし、町内外から幅広い年代が集まる、まちなかづくりに取り組む。2023年度は、相談窓口の新設やイベント開催の補助事業を計画する。
まちなか範囲案は、検討委員会の意見やアンケート調査結果に基づいて作成。範囲内には役場庁舎や総合体育館、スーパーなどが入居する、めむろーどがある。エリアを絞り込むことで、重点的に施策を進める。まちなかの範囲外は仮称・連携エリアとした。
中心市街地では、空き家と空き店舗の増加が課題となっている。持ち主が高齢者や町外在住者の場合は、行政や所有者が役割分担し、利活用に向けた手続きの円滑化を図る。
23年度に相談窓口を新設。まちなかの再生に向けた町民のアイデアや相談を広く受け付け、にぎわい創出につなげる狙いだ。
町内イベントの支援も計画する。昨年12月には高校生や町民有志らがクリスマスイベント「めむクリ」を夜のJR芽室駅前のロータリーで開催。イルミネーションや、屋台の出店など、多くの家族連れを楽しませた。魅力創造課の西田昌樹課長は「夜の駅前に人が集まることは珍しい」と振り返る。今後は国道38号沿いの芽室公園などで、町内外から幅広い世代が自然を楽しみながら交流できる場を創出する。
関連事業として起業支援を位置付けた。地域おこし協力隊の芳野都馬さんが、ホテル不足解決のためゲストハウス兼バーの開業を目指すなど、町の課題解消に向けた民間の動きもある。誰もが利用しやすい支援内容を模索する。
町の魅力である景色や特産物は、まちなかのエリア外にもあることから、周辺地域とより良い関係を築き、それぞれの強みを生かした連携が欠かせない。まちなかに集まった人が、連携エリアにも足を運ぶビジョン作りに努めるとした。
まちなか再生ビジョンの素案は月内にも作成し、パブリックコメントを経て7月の策定を目指す。