倶知安町内で新幹線の明かり区間工事が本格化

2023年05月29日 08時00分

整備計画決定がから50年、市街地で工事始まる

 倶知安町内で北海道新幹線の明かり区間工事が本格化する。駅部分を含め、3工区合わせて延長8.9km。市街地での施工が始まることで、槌音(つちおと)をより近くで感じられるようになる。地域からは「やっとここまで来たか」と期待する声が聞こえる。鉄道・運輸機構は27日、倶知安駅高架橋の起工式を現地で開く。

新函館方面から見た施工場所。左に見えるのが在来線の線路

 羊蹄トンネルと二ツ森トンネルに挟まれた区間。新函館北斗方面から札幌方面へ岩尾別高架橋工区(2354m)、倶知安駅高架橋工区(3160m)、琴平高架橋工区(3395m)の順で並ぶ。

 2022年9月から23年3月にかけて順次入札。施工計画や安全対策の策定、住民への工事説明会、各種行政手続き、作業ヤードの整備を進めてきた。

 今後、高架橋や橋梁の杭打ち、基礎、柱、梁、高架橋床版、橋脚の桁構築といった順で施工。高架橋や橋梁の完成後に軌道敷設、電車線など電気関係工事のほか、駅舎新築に取り組む。27年6月末の完成を目指している。

 明かり区間の本格着工は一つの節目だ。文字一志町長は「北海道新幹線の整備計画決定から50年。やっと町中の工事が始まる。感慨深い」と話す。

 JR倶知安駅前にあるホテルの従業員は「新幹線の開業によって鉄路という選択肢ができる。函館方面、東京からと人の動きが活発になるだろう」と期待。駅前通りの商店主は「スキーリゾートに新幹線と、発展する材料に恵まれている」とした上で、「現状、空き店舗が目立ち空洞化が心配。このチャンスを生かし、新幹線を降り、歩いてもらえるような魅力ある商店街にしなければ」と話す。

 新幹線に関連し、駅東・西口での駐車場や都市施設、広場の整備、道道倶知安停線(駅前通り)の無電柱化、駅前を南北に走る町道西3丁目南・北通拡幅など複数の事業が計画されている。

 文字町長は「町としてもやることがめじろ押し。時間はそれほどない。関係機関と連携して進める」と気を引き締める。


関連キーワード: 北海道新幹線 後志

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 東宏
  • 川崎建設
  • 北海道水替事業協同組合

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,361)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,252)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,184)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,143)
札幌市の地下鉄南車両基地再整備 延べ2.9万㎡増築...
2024年04月03日 (806)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。