日本中央競馬会札幌競馬場(札幌市中央区北16条西16丁目)は、コース内側の馬場内遊園地を大幅リニューアルする。子ども向け遊具、馬との触れ合いスペースなどの充実や屋根付きの観覧スペースを新設。同競馬場ではスタンド改築を契機にファミリー層の来場が増えており、ホスピタリティを高める。2018年6月末の完成を目指し、安藤ハザマが施工に当たっている。
リニューアルは約23億6400万円を投じる、同競馬場諸施設整備の一環として進めている。設計は松田平田設計。
同遊園地内にはこれまでも遊具があったが、新たにふわふわドーム、主に未就学児を対象としたコーナーを設けるなど遊具を拡充。
馬との触れ合いを通じた馬事文化の普及に向け、既存の馬車コースを見直してより多くの人が乗車できるようにしたり、乗馬体験(引き馬)用の園路を用意する。
また、夏の厳しい日差しを遮るため、屋根付きの日陰スペースを4カ所新設する。うち3カ所は観戦用としてダートコース近くに配置。馬はコースの内側を走る傾向があり、より間近で迫力あるレースを楽しむことができる。国内の競馬場で、ここまで近くに観覧席があるのは珍しいという。
もう1つの日陰スペースはドーム状の形態で遊具の近くに置き、昼食など休憩スペースとして利用してもらう。
今回の諸施設整備工事では、老朽化した厩舎(きゅうしゃ)、パトロールタワーの改築も行う。厩舎は12馬房タイプが5棟、10馬房タイプが1棟。タワーは高さ27・5mで、これを3本更新する。
札幌競馬場は14年7月の新スタンド供用開始以降、家族連れの来場が増え、女性来場者の割合も国内競馬場で一番高いなど、従来の競馬場のイメージを変えてきた。
同競馬場では「リゾート競馬を掲げ、総合エンターテインメントスペースとして使ってもらいたいと考えている。札幌を代表する観光地にしたい」と意気込む。
オープンは中央競馬の北海道開催が始まる18年7月の予定だ。