市立釧路総合病院の新棟が9月着工へ 規模は延べ3.9万㎡

2018年03月28日 13時00分

 市立釧路総合病院の新棟建設を計画している釧路市は、2021年9月の開院に向けてことし9月着工を目指している。分割件数などは未定だが、逆算すると6月には一般競争公告となる見通し。工事費は約179億円と試算している。18年度は並行して既存棟の解体と改修に向けた実施設計も推進。こちらは新棟が完成に近づく21年2月ごろから工事に取り掛かる予定だ。

 同病院は1984年度に、春湖台1の12の現在地へ移転した。現在の規模はSRC一部S造、地下1地上9階、延べ4万6688m²。当初に建設した部分が老朽化しているほか、その後の増改築で関連部署が離れていることも課題となっていた。ハイブリッド手術室の導入や、災害拠点病院として3日分の水や食料確保が求められていることもあり、改築に踏み切る。

 病院としての機能を維持しながらの工事となるため、現在の駐車場部分に新棟を建設。既存部分については、05―07年度に増改築した管理棟や精神科棟など一部を活用するものの大半は解体し、跡地を駐車場とする意向だ。

 新棟はS造、地下1地上10階塔屋2階、延べ3万8859m²で、基礎免震工法を採用する。地下には放射線治療スペースのほかガス燃焼コージェネレーション設備などを設置。1階にはエントランスホールや総合案内、救急外来と画像診断部門などを置き、2階には外来部門を集約する。3階にはハイブリッドを含む手術室9室とHCU(高度治療室)、救命救急病棟、4階には透析やリハビリなどの機能を配置する。5―10階には病棟が入るが、このうち10階は釧根管内で初となる緩和ケア病棟とし、24床を確保。患者と家族が共に食事できるようキッチン付きのラウンジなどを備える。

 新棟の年度別工事費は18年度が約5億4000万円、19年度約57億5600万円、20年度約95億4700万円、21年度約20億5600万円の計約178億9900万円。

 既存部分のうち、精神科棟は現状のまま使用。管理棟と第3外来棟、サービス棟は改修し、それ以外は解体する。改修内容は新年度に発注する解体・改修の実施設計で固めるが、サービス棟と第3外来棟は物品調達や倉庫などに利用し、事務部門などが入る管理棟は新棟と接続する2階部分に売店などのサービス機能を移す考えだ。新棟と第3外来棟の間には、解体工事に合わせて地下通路を新設する。

 21年2月から23年7月までの工期を見込み、工事費は20年度が約4億6300万円、21年度が約6億9500万円、22年度が約4億3900万円、23年度が約2億900万円の計約18億600万円と試算している。

 ドクターヘリのヘリポートは新棟屋上に1基を設けるが、管理棟屋上にある既存の1基も残して活用していく。


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