加森観光がルスツで設備投資拡大 大型商業施設建設も視野

2018年06月26日 08時30分

 加森観光(本社・札幌)が、ルスツリゾートでの設備投資を強めている。23日、1棟目となるコンドミニアムに着工したのを皮切りに、今後30―40棟に増やす計画。2020年をめどに大規模ショッピングモールの建設も視野に入れる。海外企業との共同出資も視野に入れ、外国人でにぎわうニセコ地区とは違う、留寿都村のまちづくりも兼ねた観光拠点の創出を展開する考えだ。

 ノース&サウスウイングホテルの東側駐車場で23日、コンドミニアム「The Vale Rusutsu(ザ・ヴェール・ルスツ)」に着工した。RC造、地下1地上10階、延べ約1万8000m²の規模。国内外の富裕層をターゲットとし、販売価格は5600万―4億6000万円に設定した。

 併設する温浴施設などを含む18年の投資額は約140億円に上る。

 地鎮祭には加森公人会長をはじめ、設計を担当したピーターハン・アソシエイツ・リミテッド(本社・東京)のピーター・ハン代表、施工を担う中山組の中山茂社長が出席。クワやカマ、スキを入れ、約2年にわたる工事の無事完成を祈った。加森会長は「ルスツ内で30、40棟を建てる計画を着々と進めている。これはまだ始まり」と述べ、今後の投資に意欲を見せた。

1棟目となるコンドミニアム新築の地鎮祭でクワ入れする加森会長

 道内で増加する訪日外国人や日帰り客などの集客を目的にショッピングモールを計画。施設の上階にコンドミニアムを設けることも検討している。建設時期に関して加森会長は「(1棟目のコンドミニアムの販売が)60%に達したら、次の段階に進む」と示唆。「金融機関と協議しながら」と前置きした上で「2年ぐらいをめどとしている」と明かした。

 コンドミニアムとショッピングモールに加え、ホテルの新設も視野に入れる。大規模な開発となることから、単独ではなく、マレーシアや香港、ハワイの企業などとの共同出資による展開を見通す。

 さらには「従業員の確保も大事」との考えから、村内での社宅増設や住民が買い物できる店舗の誘致なども構想する。村内には1階にサッポロドラッグストアーがテナントとして入居した従業員寮がある。リゾート内だけでなく、まちづくりに寄与する開発を進める考えだ。


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