札幌建設業協会(岩田圭剛会長)は20日、札幌工高建築科の2年生79人を石山地区新設小学校新築ほか主体の現場に招いて見学会を開いた。生徒たちは、完成前の建物内部を見て回ったほか、専門工事業団体が設置した体験コーナーでは鉄筋の結束作業なども経験した。
施工現場を見るだけではなく、左官や足場組み立て作業などを実際に体験するという取り組み。施工は田中組・丸竹竹田組共同体。建設産業専門団体北海道地区連合会が協力し、各職種が実演や体験談、紹介ビデオを交えながら、やりがいや達成感などをPRした。
札幌建協の村井悟専務理事は「週休2日や時間外労働の是正など職場環境も大きく変わるので、建設業に入ってくれることを期待する」とエールを送った。札幌市都市局建築工事課の平田成秀工事担当課長は「ものづくりのプロセスを学ぶことは重要。建築はやりがいを感じる仕事」と期待を寄せた。田中組の杉原輝之建築工事部長は「品質、安全、工程という重要な施工管理を身近に感じて、立派な建築のプロになってほしい」と激励した。
先輩からの一言では、ことし3月に卒業した田中組の谷沢玲音さんが「失敗もあるが、そこから得るものもある。毎日が勉強だけど、建物が完成した時の感動は大きいはず」と表明。1982年3月卒業の大先輩に当たる丸竹竹田組の小山芳晴工事営業部長は「札幌工高の卒業生は多いので困った時、必ずOBが助けてくれる」と呼び掛けた。
工藤晴雄所長の案内で施工状況を見学した後、生徒たちは各専門工事のコーナーで作業を体験。丁寧な指導を受けながら、足場の組み立て・解体、鉄筋の結束、左官などに取り組んでいた。