建設業の好感度上昇 道建協のアンケート結果

2019年06月19日 07時00分

 北海道建設業協会(岩田圭剛会長)は、2018年度に実施した現場見学会・現場実習の参加者に対するアンケート結果をまとめた。保護者を対象とした調査では、自分の子どもを建設業に就職させるかを問うと、「してもよい」が81%で17年度から1.8ポイント上昇。就職に必要な条件では上位から「仕事に見合った給料」が30.4%、「しっかりした福利厚生」19.3%、「規則正しい勤務時間」16.2%と続き、国が進める働き方改革への対応が保護者からも求められているのが分かる。

 見学会は18年度で42回目。各地方建協が工業高校(一部小学校、農業高校など含む)の生徒や保護者らを対象に実施し、計1659人が参加。アンケート回収率は88.6%(小学生を除く)だった。

 保護者に対して建設産業のイメージを聞くと、「役に立つ産業」という回答が9割以上となり、職場環境(複数回答)についても「やりがいがある」が前年度より1.2ポイント伸ばして全体の35.5%を占めトップに。一方で「危険」が30.9%で2位、「労働時間が長い」が23.2%で3位に入るなど、いまだに3Kのイメージが根強い。

 子どもが興味があると思う業種の問いでは、土木技術者が31.4%と4.1ポイント上げた一方で、建築技術者が5.8ポイント下降し20.7%。これに「設計」と「大工」が続いた。

 建設業について自由に書いてもらう設問では「自然災害の復興に欠かせず人の暮らしのために希望を与える意味でとても重要な素晴らしい仕事」「社会や地域の安全安心、暮らしを支えるなど重要な役割」と建設業の存在意義に理解を示す意見がある一方、「安全に配慮しつつ事故やけがをしないようにすれば、将来、自分の子どもも働かせてみたい」「事故が起こる可能性が高い職種なので安全に仕事ができる環境を整えてほしい」など事故を起こさない職場環境を求める声も寄せられた。

 高校生対象のアンケート結果では、入学した理由について「建設会社に就職するため」が42.3%となり、17年度調査に比べ1.1ポイント増加した。 卒業後の進路は78%が就職を選択し、うち就職先に建設業を希望する生徒は76.4%。大学に進学すると回答した生徒の60.7%が土木・建築関係を希望したが、前年度比で15ポイント下回った。一方、短大・専門学校に進学する際の土木・建築関係は48.3%で11.2ポイント増えた。

 建設業に対してどう感じているかについては「魅力ある仕事」が93.8%に達し、うち「就職したい」と考えている人は69.7%いた。現場見学会に参加した感想は「大変参考になった」「いくらか参考になった」を合わせ99.1%に上り、理解が進んでいる。

 どのような就職先の会社情報を知りたいかの問い(複数回答)には、上位3位に「給料体系」「休日等」「勤務時間」が入り、例年上位にあった「仕事の内容」を追い抜いた。業界のPR活動の成果がうかがえる半面、若者の入職促進には労働環境の改善が不可欠という一面が浮き彫りになっている。


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