30年ぶりに上昇 21年7月1日時点の道内基準地価

2021年09月24日 10時00分

上昇率は住宅、商業ともに北広島が1位 BP開業に期待高まる

BP開業に向けた商業地需要が高まっている
北広島市共栄町1丁目13の12[MAP↗]付近

 道は、2021年7月1日時点の道内基準地価を発表した。林地を除く宅地1011地点の全道平均変動率はプラス0.1%で、1991年以来30年ぶりに上昇。一部商業地には新型コロナウイルス感染症の影響による上昇幅縮小や下落が見られたが、札幌も含め石狩管内全市の住宅地で上昇幅が拡大したことによりプラスに転じた。特に北広島市共栄町は住宅地、商業地ともに上昇率が道内1位となるなど北海道ボールパークFビレッジ(BP)建設に伴い需要が高まっている。(8―10面に一覧、2、4、11、12、13、14面に関連記事)

 道内の調査地点(基準地)は1029地点で、内訳は住宅地735地点、商業地261地点、工業地15地点、林地18地点。

 1m²当たりの全道平均価格は宅地で3万8800円。うち住宅地は2万800円で、平均変動率はプラス0.3%と30年ぶりに上昇した。一方、商業地は一部が新型コロナの影響を受けたため、マイナス0.6%の9万800円で2年連続の下落。流通系の複数地点が上がった工業地はプラス2%の1万2800円となり、3年連続で上昇を示している。林地はプラス0.4%の1011円だった。

 地価が上昇した地点数は、住宅地が前年度に比べ30地点多い182地点、商業地は1地点少ない62地点、工業地は同数の5地点あった。下落は、住宅地が23地点減の400地点、商業地が10地点増の166地点、工業地が前年度と同じ5地点となっている。

■住宅地上昇率は3位まで北広島

 住宅地は、札幌近郊の北広島市、恵庭市、江別市、石狩市が道内の上昇率上位10地点のうち9地点を占めた。北広島はBP開業が背景にあり、共栄町4丁目8の23[MAP↗]がプラス19.2%で1位だったほか、プラス18.8%の若葉町3丁目3の4、プラス18.7%の稲穂町東6丁目1の14も2、3位に入っている。それ以外の地点については、住宅ローン減税などの優遇措置により住宅需要が高まったことで、JR沿線で札幌に通勤ができ比較的価格が安い近郊市に人気が集まったとみられる。

 昨年トップだった倶知安町樺山65の132ほかは4位。伸び率が前年度を下回り、順位は下がったものの、外国人の別荘地として需要が高い状況は続いており、1m²当たりの価格も7万7500円から9万1000円にアップした。札幌市は上昇率上位にこそ入らなかったが、価格水準の高い中央区から割安感のある区の利便性が高い地域へ需要が分散するなど上昇幅は拡大している。今回は上昇率上位の地点の伸びが特に大きく、全国の上昇率でも2位から10位までが北海道の地点だった。

 最高価格は、札幌市中央区宮ケ丘2丁目474の86で1m²当たり33万7000円、上昇率はプラス9.8%。付近でマンション開発が進められるなどマンション用地の需要が高く、33年連続で全道1位を獲得した。

■一部商業地にコロナが影響

 商業地の上昇率1位はプラス14.7%の北広島市共栄町1丁目13の12[MAP↗]。こちらも住宅と同じくBP開業に向けた需要の高まりが要因だ。2位は恵庭市漁町159で、背後にある住宅地の価格がアップしたことに伴い13.2%上昇した。3位はプラス13%の千歳市末広2丁目122の1ほか。JR千歳駅に近く、利便性や希少性の高さを反映した結果だが、上昇幅は1.9ポイント縮小している。

 札幌市は昨年の上昇率上位10地点に6地点がランクインしたが、今回は1地点もなかった。土地が動かない状況が続くなど新型コロナの影響が顕著に表れており、特に繁華街近くにある中央区南2条西5丁目26の17、北区北23条西4丁目19の319、西区琴似1条1丁目21の2という3地点は全く同じ価格で推移し、伸び率はゼロだった。

 価格上位10地点は全て札幌市内で、前年度から変動はなし。トップは札幌市中央区北3条西2丁目1の13ほかの「NC・HOKUSEN北三条ビル」。1m²当たりの価格は17万円増の400万円で、37年連続の全道1位となった。

■下落率の上位空知管内占める

 一方、空知管内の旧産炭地など道内の多くの市町村では下落傾向が続く。住宅地の下落率1位は留萌市沖見町6丁目36の65で、全国でも8位にランクインした。人口減少や高齢化が進み地域経済が低迷し、住宅需要が減退したことが要因とみられる。商業地の下落率1位は妹背牛町妹背牛382の2。他地域への購買力流出、低迷する地域経済など商業地需要の減少が影響している。

 住宅地、商業地ともに下落幅は縮小したが、空知管内の地点が下落率上位を占める傾向は変わっていない。

■旭川や帯広の住宅地が上昇

 人口10万人以上の都市を見ると、札幌市の上昇率は住宅地がプラス7.4%、商業地がプラス4.2%。上昇幅は住宅地でさらに拡大したが、商業地は新型コロナの影響などで縮小している。変動率がマイナスになったのは商業地の南区定山渓温泉西3丁目13ほかだけで、下落率はマイナス1.1%だった。

 旭川市は緑が丘東や東光、豊岡といったスーパー進出等で利便性が向上した地域、中心部へのアクセスが容易な地域などで需要が増えたことにより、住宅地が21年ぶりに上昇。帯広市は周辺市町村からの人口流入などに伴う需要増大、江別市も野幌地区の利便性向上などから住宅地の上昇傾向が続いている。

 商業地は札幌市以外でも新型コロナによる需要減が見られ、函館市はマイナス2.1%、小樽市はマイナス0.8%、旭川市はマイナス1.2%にとどまった。

(北海道建設新聞2021年9月22日付1面より)

北海道建設新聞2021年9月22日付には、道内の用途別平均変動率・平均価格をまとめた表を掲載しています。閲覧は本紙をご覧ください。

また、同日付の紙面には、関連記事が掲載されています。

 8―10面:道内基準地価標準価格一覧、および20年の価格からの変動率

 11面:道東地域 12面:道北地域 13面:道南・後志地域

 14面:札幌市、さっぽろ近郊地域

 2面:札幌市内の詳細と開発や投資の動向、見通し

 4面:都道府県地価調査結果公表・全国各地域の地価変動率

閲覧は新聞本紙か、e-kensinプラスの記事検索コーナーをご覧ください。


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