留萌市は17日、道を通じ洋上風力発電設置に向けた可能性調査を国に提案した。環境条件や地域経済への波及効果を調査要望に挙げた。国は12月末までに対象地域を決め、委託業者を選定し調査へ移行する。期間は2022年3月末まで。
国は「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」の施行で、海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域の指定に向けて動いている。
20年12月策定の「洋上風力産業ビジョン(第1次)」では、年間100万㌔㍗程度の区域指定を10年継続、30年までに1000万㌔㍗、40年までに浮体式を含む3000万―4500万㌔㍗の形成を目標としている。
市は、日本海から吹く良好な風況や海域の広さ、重要港湾の留萌港を持つことからも、洋上風力発電設備導入のポテンシャルは高いと自負。13日の定例市議会一般質問では、中西俊司市長が誘致に向けた可能性調査を提案する考えも報告していた。
市が挙げた調査要望は、建設に伴う海底地形や地質調査、風況観測、導入に向けた課題抽出、漁業者との共存を加味した参入効果、留萌港に求める機能など。先行利用者の漁業者や船舶業者を十分に尊重した導入を目指す。
採択時期は12月下旬。決定を受けた場合、国が委託業者を選定し、机上検討や関係機関へのヒアリングを進める。22年2―3月上旬までに、地域関係者を含めた検討会の開催も見込む。
市がどのように調査に参画するかは未定。市担当者は、具体的な調査内容が分かり次第、漁業者らとの調整や、資料提供などで関与することを想定している。
(北海道建設新聞2021年12月20日付4面より)