日高道静内―東静内間8kmなど3事業で新規採択時評価

2022年02月25日 19時03分

開発局22年度予算

 北海道開発局は、国道235号日高自動車道静内三石道路静内―東静内間、国道236号帯広広尾自動車道大樹広尾道路豊似―広尾間、苫小牧港東港区浜厚真地区複合一貫輸送ターミナル整備の計3事業で新規事業採択時評価手続きを進める。近く北海道地方小委員会が開かれ、意見聴取などをする。順調に進めば、2022年度予算案成立時に公表する直轄事業計画に新規事業として組み込まれる。日高道静内三石道路静内―東静内間は8㌔に事業費約520億円、帯広広尾道大樹広尾道路豊似―広尾間は12・3㌔に約480億円を見込む。

 日高道は苫小牧市から浦河町までの約120㌔を計画する高規格道路。現在、苫小牧東ICから日高厚賀ICまでが開通済み。日高厚賀IC―仮称静内IC間の16・2㌔は厚賀静内道路として整備中で、静内から先の新ひだか町三石地区までの約22㌔区間の事業化に向けた取り組みが進む。

 日高地方は全国一の馬産地で、新冠町にある北海道市場での軽種馬せり市は近年過去最高の売り上げを記録している状況。一方で、国道235号の静内―三石間は市街地を通るため速度低下を起こすほか、海岸線に近く津波浸水に脅かされる予測がされている。

 日高地方から苫小牧市、札幌市にある高次医療への接続ルート確保、えりも岬やアポイ岳などの観光地と新千歳空港を結ぶ観点から、計画区間を含む浦河町までの全線開通が望まれている。

 昨年11月に開いた社会資本整備審議会道路分科会の第29回北海道地方小委員会では、日高自動車道静内―三石間の計画段階評価を実施。概算事業費に720億―880億円を試算する別線・市街地アクセスルート案(約21㌔)を対応方針原案に決定していた。

 今回の新規事業採択時評価では、静内―三石間のうち静内―東静内の約8㌔区間を実施する。

未着手区間の新規事業化が見込まれる帯広広尾自動車道。全区間開通による地域活性化に期待が掛かる

 帯広広尾道は、帯広市を起点に中札内村、更別村、大樹町を経由して広尾町に至る延長80㌔の高規格道路。全体延長のうち帯広JCTから忠類大樹ICまでが開通済みで、現在は忠類大樹ICから広尾町豊似までの約15・1㌔区間の整備が進む。

 今回、新規事業化を目指すのは豊似―広尾間の12・3㌔区間。帯広広尾道の南端終点に至り、これが開通すれば、帯広から十勝港までの区間が高規格道路で結ばれることになる。

 直近では、長らく事業停止となっていた道横断自動車道足寄―陸別間の事業再開が決定している。帯広広尾道の事業化に長年取り組んでいる中川郁子衆議院議員は「将来的に高規格道路がオホーツク方面―十勝方面の南北ルートを走ることになる。地元の農産物、物流をつなげるほか、大地震に備えた命を守る道になる」と期待を込める。

 苫小牧港東港区浜厚真地区複合一貫輸送ターミナル整備の事業費、事業概要などは新規採択時評価の手続きで開催する委員会の中で明らかになる。

 新規採択時評価は、直轄事業の新規事業採択フローの最終段階。これまで進めてきた計画段階評価、都市計画・環境影響評価などを踏まえながら、事業を行う都道府県、政令市や第三者委員会から意見聴取。費用対効果分析を含む総合的評価をして、予算化の対応方針を決定する。

 


ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 北海道水替事業協同組合
  • web企画
  • 日本仮設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,421)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,248)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,166)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,126)
函館開建が国道5号の常盤川交差部に橋梁新設の可能性...
2024年04月17日 (783)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。